弊社はECを中心として、売上向上に向けたサービスを展開しています。
今回は日々の業務で培ったノウハウから、本記事では楽天市場における二重価格について徹底的に解説をしていきます。
二重価格の理解は楽天市場における店舗運用で非常に重要度の高い事柄の1つです。
基本から楽天市場における二重価格を理解して、施策の一つとして活用できるようにしていきましょう!
また、Finnerでは成果が実証されたノウハウ・経験にもとづいて、EC戦略立案から施策実行の代行までご支援しています。EC領域でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
楽天市場の二重価格とは上記画像の様に、『元々の価格』と『割引後の価格』を2つ表示できる方法を指しています。
この様な二重価格表記を行うことによって、お客様へ実際の販売価格よりも安く販売していることをアピールすることができるため、転換率を高めるための施策として活用されることが多くなっています。
実際に弊社のご支援先でも二重価格表記の追加によって転換率が伸びている事例もあり、効果的な施策の1つだと考えられます。
ただし、顧客からの信頼性が重要なジャンルや時期については逆効果を出してしまうこともあるのでメリットはある一方でデメリットもあることを覚えておきましょう!
実は楽天市場では二重価格表示への目がかなり厳しいです。
もちろん後述している法律に基づいた店舗運営を行うという基本原則はありますが、約10年ほど前にセール対策として通常価格より高額な価格を元値として表示させる様な提案を楽天市場の社員が店舗に対して行ったことが発覚して、大きな問題となりました。
この様な報道もあり、現在の楽天市場ではかなり細かなルールや制限が設定されました。
また、楽天が出している二重価格のガイドラインに違反した場合には重い罰則があります。
具体的には違反点数の『20点』に該当する可能性が高いです。
ただし、当然楽天から修正の依頼は来ますのでその通りにスピード感を持って修正をしていけば大きな問題になるケースは少ないです。
それでも修正せず違反をし続ける(もしくは面倒で放置している)場合には以下のような措置が具体的に取られる可能性があります。
・ランキングの掲載制限
・SEOの表示ランキングダウン
・媒体への掲載制限
・一時的な改装中の処置
・違反金徴収
・契約の解除
基本的には二重価格の設定時に審査もありますし、該当することは少ないかもしれませんが、この様な罰則は直接的に楽天市場の売り上げに繋がりますので、違反のない店舗運営を心がけましょう!
また後述しますが、二重価格については景品表示法という法律として規制されているものですので物販事業を行う上で法律遵守を行っていきましょう!
本記事では二重価格について楽天市場内での話に今回はフォーカスしていますが、そもそも日本には『景品表示法』という法律が存在しています。
景品表示法の基本原則として「商品のサービスや価格が実際よりも著しく有料であることや有利であると誤認される様な表示を禁止」しています。
これは一般的に有利誤認と呼ばれていますが、ここに二重価格表示が該当しています。
もちろん、先程もご紹介したような上ぶれた価格で安くアピールするような方法も含まれますし、『同一ではない商品の価格を比較対照価格に用いて表示を行う場合』や『比較対照価格に用いる価格について実際と異なる表示やあいまいな表示を行う場合』についても価格表示のガイドラインに引っかかってしまうおそれがあります。
主に楽天市場では、下記の5つの比較対照価格の種類(二重価格表示)があります。
1. 当店通常価格
2. メーカー希望小売価格
3. 参考小売価格
4. 旧価格
5. その他の比較対照価格
当店通常価格とは『最近相当期間にわたって楽天市場のショップにおいて販売されていた価格』を指しています。
条件としてはこちらを満たす必要があります。
①直近2週間でその価格での販売実績があること
かつ
②以下のどちらかにあてはまること
・過去8週間のうち合計で4週間その価格での販売実績がある
・販売期間が8週間未満の場合、合計で販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績がある
当店通常価格で二重価格設定をする場合、RMSから簡単に設定を行うことができます。
商品管理 > 各商品の編集ボタンをクリック > 販売・管理から価格設定の表示価格よりプルダウン
そして設定する際の注意点がいくつかあります。
簡単な部分だと、設定後反映されるのが翌日の11時になるなどですが、重要なのは禁止事項です。
当然禁止事項もありますので、注意してください。
具体的には以下が楽天市場で当店通常価格を二重価格表記する際の注意事項です。
◆同一の商品を複数登録し、そのうち一部の商品の販売価格を、同時に販売する他の同一商品の販売価格より高く設定した上で一定期間掲載したのち、その商品の価格を下げることによって、あたかも値引きをしたように見せかけること
◆ある商品が掲載されていた商品ページの内容を別の商品のものに書き換え、あたかも当該商品の販売実績があるかのように見せかけること
◆断続的に全会員向けの商品別クーポンを発行し、楽天会員であれば誰でも当該商品をクーポンによる値引き後の価格で購入できる状態であるにもかかわらず、クーポンによる値引き前の価格を当店通常価格として表示すること
◆消費税込の価格を消費税別の価格に変更する、送料込の価格を送料別の価格に変更するなど、価格設定や取引条件を変更することによってあたかも値引きしたかのように見せかけること
次はメーカー希望小売価格ですが、当店通常価格の表記よりは少し複雑です。
楽天市場の二重価格におけるメーカー希望小売価格とは『メーカーにより小売業者の価格設定の参考となるものとして設定されており、メーカー側から発行された新聞広告やカタログ、Webサイト、商品本体への印字等により公表されている価格』を指しています。
もちろんこちらも条件があり、条件としては以下を満たす必要があります。
ショップが、それぞれの商品ページ上に、所定のルールに従ってメーカー希望小売価格が設定されているというエビデンスを掲載すること。
ポイントはエビデンスを示せるかどうかという点です。
こちらも上記同様で、RMSから設定をおこなうことが可能です。
ただし、先述している様にエビデンスの掲載が求められます。
また、エビデンスの種類を下記4つから選んで、テキスト形式で正確に記載する必要があります。
※詳しくは後述します。
①メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて掲載しています
②メーカー希望小売価格はメーカーカタログに基づいて掲載しています
③メーカー希望小売価格はメーカー広告に基づいて掲載しています
④メーカー希望小売価格はメーカー商品タグに基づいて掲載しています
メーカー希望価格を楽天市場に載せたいと考えている場合、明確なエビデンスの提出が楽天市場から求められます。
具体的にエビデンスとして認められる資料は以下です。
◆メーカーサイトで明確に「メーカー希望小売価格」または「消費者向け販売価格」として表示されていると分かるページ(サイトトップページと価格が分かる該当ページ、サイト運営者が分かるページの全て)のキャプチャー画像
◆消費者向けとしてメーカーが作成したカタログで「メーカー希望小売価格」または「消費者向け販売価格」として表示されていることが分かるページ(カタログの表示、価格が分かる該当ページ、カタログ発行者が分かるページの全て)のキャプチャー画像
◆メーカーによる広告(新聞や雑誌等)で「メーカー希望小売価格」または「消費者向け販売価格」として表示されていることが分かるページのキャプチャー画像
◆メーカーが商品本体に印字している「メーカー希望小売価格」や、商品本体に付けられた価格を示すタグを撮影した画像(ブランド名やメーカー名の印字があるものに限る)
逆にいうと上記に該当してないエビデンスはすべて認められません。
こちらも注意点(禁止事項)があります。
必ず以下に該当しないようにしましょう!
◆卸売業者が定める参考上代等メーカー希望小売価格といえない価格をメーカー希望小売価格として表示すること
◆同一の商品といえない商品価格との比較をおこなうこと
※新品と中古品、純正品と互換品など、同一の商品といえない商品価格と比較することはNG
3つ目は参考小売価格です。
楽天市場内の二重価格における参考小売価格とは『製造業者や卸売業者、輸入総代理店などの小売業者以外の者が設定した価格で、しっかりとカタログやパンフレットなどによって、その商品を扱う小売業者に広く提示されている価格』を示しています。
楽天市場内に二重価格として表示させる条件としては、以下です。
①楽天市場が保持している、小売業者や消費者に広く呈示されている参考小売価格のデータ
について
②出店店舗がJANコードを用いてシステム上で商品ページに引用すること。
4つ目は旧定価です。
楽天市場の二重価格における旧定価とは『再販制度の対象となる「定価」の定められた書籍のうち、時限再販などによって「定価」の対象外となった書籍における「定価」が定められていたときの価格』を指しています。
こちらは基本的に書籍の販売に該当する二重価格表記です。
表示条件としては、楽天市場が保持している書籍の旧定価のデータを、ショップがISBNコードを用いてシステム上で商品ページに引用することが求められます。
最後はその他の比較対照価格です。
特定の条件を満たす際に、比較対照価格が載せられる二重価格表記となります。
表示条件としては、景品表示法および楽天市場が定めたルールに基づき元値表示を行っている商品であることです。
A. 設定可能です!
楽天市場で二重価格をまとめて設定したい場合は、CSVの商品一括編集機能を活用しましょう!ただし月額11,000円かかるので、注意が必要ですが、商品名をまとめてへんこうできたり、11,000円以上のメリットは必ずあります。
二重価格設定で変更できる箇所としては以下です。
・二重価格の入力
・PC用商品説明文の入力 ※メーカー希望小売価格設定の際に活用
・カタログIDの入力 ※参考小売価格設定の際に活用
A. 確認可能です!
二重価格については、条件が未達成で表示できていないこともあります。
RMSの商品管理から非常時になっている場合、楽天市場に表示されていませんので原因を確認しましょう!
また上記については、更新翌日の15時ごろにダウンロードが可能になります。
もし表示がされていない場合は、改めて以下条件を全て満たしているか確認して下さい。
①エビデンスの掲載場所は商品ページの「PC用商品説明文」になっているか
②ファイル名もしくはリンク先URLに「evidence」という文字が英数半角で含まれているか?
③エビデンスの種類について下記4つから選択し、テキストで正確に記載していますか?
・メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて掲載しています
・メーカー希望小売価格はメーカーカタログに基づいて掲載しています
・メーカー希望小売価格はメーカー広告に基づいて掲載しています
・メーカー希望小売価格はメーカー商品タグに基づいて掲載しています
A. 正直なところ、一部店舗でグレーな表記になっていることがあります。
ただし、もちろんですが罰則がつきますし、そもそも法令遵守がされていないため、その様な店舗については近々まずは『改装中』になるかと思います。
本記事では「楽天の二重価格の概要と注意点」について基本から解説しました。
記事を最後まで見てくださり、誠にありがとうございました。この記事が皆様にとって役に立っていますと幸いです。
二重価格表記は楽天市場ユーザーに価格メリットを強く訴求できる一方で一歩使い方を間違えてしまうと、店舗に大きなダメージを与えかねません。正確に運用を進めることをオススメします。
弊社では、二重価格表記に関する代行はもちろんのこと、楽天市場に関するほとんどの業務を代行可能ですので一度ぜひご連絡ください。
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