【最新版】楽天市場の広告費の正解は?ジャンル別・売上別の最適予算を徹底解説!

更新日:2025/12/23
【最新版】楽天市場の広告費の正解は?ジャンル別・売上別の最適予算を徹底解説!のアイキャッチ画像

楽天市場で売上を拡大するために欠かせないのが「広告運用」です。
どんなに品質の高い商品を扱っていても、ユーザーの目に届かなければ売上にはつながりません。

とはいえ、「広告にいくら投資すべきか」「どのラインまでが妥当で、どこからがムダなのか」と悩まれている店舗様も多いのではないでしょうか。

本記事では、楽天市場における広告費の“適正値”を、売上規模(小〜大)」「ジャンル特性」「広告タイプ(RPP広告・掲載広告・イベント広告など)」の4つの軸から詳しく解説します。広告費のかけすぎ・かけなさすぎを防ぎながら、利益を最大化するための考え方をお伝えします。

「どのくらい広告を使えば利益が残るのか?」
「ROASや広告効果はどう見ればいいのか?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

また、Finnerでは成果が実証されたノウハウ・経験にもとづいて、EC戦略立案から施策実行の代行までご支援しています。EC領域でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら

楽天市場の広告費を決めるために抑えておきたい4つのポイント

楽天市場で売上を伸ばすためには、「広告費をどのように使うか」がとても重要です。
なんとなく“売上の○%を広告に回そう”と決めてしまうと、思ったほど効果が出なかったり、利益が減ってしまうこともあります。そこで今回は、楽天市場で広告費を考える時に重要な4つのポイントを分かりやすく紹介します。

この4つを意識すれば、無理のない予算でしっかり成果を出せる広告運用が行いやすくなります。

売上目標と利益を明確に決める

まず1つ目に大切なのは、「広告費=余ったお金」ではなく、「売上を増やすための投資」だと考えることです。
そのためには、目標の売上額と利益率(どれくらい残したいか)を先に決めましょう。

たとえば、月商100万円を目指していて、利益率が30%なら粗利益は30万円。
そのうち10万円を広告に使えば、残り20万円が利益として残ります。

上記のような考えのもと「どの程度の金額を広告に使っていいか=広告投資として使うべきか」を数字で考えることが大事です。目安としては次の通りです。

  • 小規模店舗:売上の5〜15%
  • 成長中の店舗:15〜25%
  • 大型セール時や新商品の立ち上げ期:30%前後

商品ジャンルの特徴を知る

2つ目は商品ジャンルの特徴を知ることです。楽天市場では、ジャンルごとに「単価」や「競合数」「リピート率」などがまったく異なります。

それぞれのジャンル特性を理解しておくことで、ムダのない広告運用が可能になります。

ジャンル特徴広告のポイント
ファッション・アパレル単価が低くトレンド重視ROAS(費用対効果)は低め。まずは露出を増やす広告が効果的。
美容・健康リピート率が高い新規客を取って継続購入に繋げる広告が適切。
家電・デジタル単価が高く比較検討が長いCPC(クリック単価)が高くなりやすい。検索広告でじっくり攻める。
食品・飲料単価が低くリピート前提お試しセット・初回限定商品で顧客を育てる。
生活雑貨・日用品競合が多い新規客を取って継続購入に繋げる広告が適切。

広告の目的と種類を明確にする

3つ目は、広告の目的と種類を明確にすることです。楽天市場にはいくつかの広告タイプがあります。それぞれの目的使いどころを理解することで、ムダな出費を防げます。

広告の種類特徴向いている目的
RPP広告(検索連動型)クリックごとに課金される。即効性あり。売上アップ・新規集客
掲載広告(ランキング・カテゴリ枠など)表示保証型。ブランディングに強い。認知拡大・信頼獲得
イベント広告(スーパーSALEなど)高額だが集客力が大きい。セール・在庫処分・新商品発表
メルマガ・クーポン広告既存客向け。再購入・リピート促進

「新規」を増やしたいのか、「既存客」を増やしたいのかを明確にすることで、どの広告にいくら使うか判断しやすくなります。

逐一数字を確認し改善する

広告を出したあとは、効果を頻繁に数字で分析することが大切です。
感覚ではなくデータを見て判断することで、ムダな費用を減らせます。

チェックしたい主な指標は以下の通りです:

  • ROAS(広告費用対効果)=売上 ÷ 広告費 → 目安は300%以上(※ジャンルに応じて変化あり)
  • CTR(クリック率)=表示された広告の内、クリックされた割合
  • CVR(購入率)=クリックした人のうち何%が購入したか
  • リピート率=広告経由の購入者が再度購入しているか

これらを適宜確認することで「どの広告がどのような効果をあげているのか」を分析しましょう。

楽天市場の広告の種類と特色

ここでは、楽天市場で使える代表的な広告を特色」「向いている店舗」「導入時のポイントという順で分かりやすく解説します。
広告の仕組みと向き不向きを押さえておけば、最適な使い分けができるようになります。

RPP広告(検索連動型)

特色:
検索結果や商品ページに自社商品を表示し、クリックごとに課金される広告です。必要な分だけ出稿できるので少額から試せます。

向いている店舗:

  • 楽天市場で初めて広告を出す店舗
  • 少ない予算で広告配信をテスト運用したい店舗
  • 毎日の売上を増やしたい店舗

導入時のポイント:

  • まずは少額予算で運用を開始し、実績の出ている商品に予算を集中する。
  • クリック後のページ(商品ページ)の改善をセットで行うと効果が上がりやすい。

掲載型広告(カテゴリ枠・ランキング・トップページなど/固定費)

特色:

楽天の目立つ場所(トップやカテゴリ、ランキング周辺)にバナーや商品を一定期間掲載する広告です。表示を保証する代わりに固定費がかかります。

向いている店舗:

  • 固定費を投下する資金力がある、中〜大規模の店舗
  • 大型セールや新商品発表の前後で注目を集めたい店
  • 商品の見せ方(画像・訴求)に自信がある店

導入時のポイント:

  • 目を引く画像と短いコピーを用意すること。
  • 期間と掲載位置の費用対効果を事後に必ず検証する。

イベント広告(スーパーSALE・お買い物マラソン連動枠など)

特色:
楽天の大型セールと連動して特設枠やメルマガ掲載などで露出を増やす手法。短期間で大量のトラフィックを狙えます。

向いている店舗:

  • 在庫処分やまとめ売りをしたい店舗
  • セールで一気に販売数を伸ばしたい店舗
  • 目玉商品を用意できる店舗

導入時のポイント:

  • 事前に価格・在庫・配送準備をしっかり整える。
  • セール中はCPCや出稿費が上がるので、期待値(粗利・回転)を計算してから出す。

その他の広告・販促(メルマガ/クーポン/PRオプション/LINE連携など)

特色:

既存客へのアプローチや、楽天外への露出、クーポン配布など多様な施策があります。目的に合わせて細かく使えるのが特徴です。

主な施策:

  • 楽天メルマガ広告 セール通知や新商品告知に有効。即時の集客アップ向け。
  • クーポンアドバンス 特定ユーザーにクーポンを出して新規獲得や再購入を促す。
  • PRオプション 楽天外(SNSやメディア)でも露出を増やしたいときに。認知拡大向け。

導入時のポイント:

  • 既存客施策は費用対効果が高くなることが多いので、まずはリピート施策を整えるのがおすすめ。
  • クーポンは配布条件と有効期限で効果が大きく変わるため、テストを繰り返す。

売上規模別・ジャンル別の広告費目安

楽天市場で広告を運用する際に、「どのくらいの広告費を使えばいいのか?」を判断するうえで重要なのが 「売上規模」と「取り扱いジャンル」 です。
店舗の成長段階や商品特性によって、最適な広告投資額は大きく変わります。

ここでは、一般的な目安として、月商規模ごとの広告費割合とジャンル別の傾向を整理します。

月商規模主なジャンル例広告費目安(売上比)金額イメージコメント
〜100万円ファッション・雑貨・食品など約7〜12%約3〜12万円/月広告が売上の起点。まずは露出強化が優先。
100〜300万円美容・健康・日用品など約5〜10%約5〜30万円/月広告効率の改善が鍵。RPP+掲載広告を組み合わせると◎
300〜1,000万円家電・家具・スポーツ用品など約4〜8%約12〜80万円/月高単価商材はCPCが上がりやすい。分析重視の運用を。
1,000万円以上複数ジャンル・ブランド系店舗約3〜7%約30万円〜数百万円/月イベント広告・外部施策との連携も検討段階に。

ポイント:

「売上が伸びるほど広告費率を下げても成果が出やすい」傾向があります。
ただし、広告を止めすぎると流入が落ち、売上が安定しないことも。売上維持+利益確保”のバランスを意識しましょう。

ジャンル別の広告戦略

ジャンル特徴広告運用のポイント
ファッション・アパレル単価が低くトレンド依存露出量が命。RPPで検索露出を確保+掲載広告でブランド強化。
美容・健康リピート率・CVRが高い新規集客と再購入施策をセットで。クーポンやレビュー訴求も有効。
家電・デジタル高単価・比較検討が長い高CPCでもROAS管理を徹底。商品説明と価格訴求を両立。
食品・飲料低単価・リピート前提初回購入を増やす施策が重要。お試し広告+送料無料で誘導。
インテリア・家具高単価・低頻度購入検索+特集ページで信頼感を演出。レビューや写真の質が鍵。

広告費設定の基準

広告費の最適値は、「目的」と「フェーズ」によって変わります。

たとえば、

  • 新規顧客を増やしたい → 一時的に広告比率を高める
  • 利益重視で安定運用したい → ROAS(広告効果)を見ながら抑える
  • 認知拡大・ブランディングを狙う → 掲載型広告やイベント広告も活用

広告を費用ではなく投資と捉えることが重要です。
単に「いくら使ったか」ではなく、「使った結果どれだけ売上と利益が伸びたか」を常に考えるようにしましょう。

広告予算の算出方法ー売上目標から逆算する考え方

広告費は、売上目標と利益率から逆算することで、エビデンスをしっかり持った広告予算を導き出すことができます。

広告費の基本設計

楽天市場で広告予算を立てる時は、以下のような流れで考えるのが基本です。

目標売上を決める
 まずは「月商〇万円を目指す」と明確な数値を設定します。

粗利率(利益率)を確認する
 仕入れや製造コストを差し引いた“粗利益”が、広告費を決める出発点です。

固定コストを整理する
 楽天手数料、ポイント原資、送料、人件費などの経費を算出します。

確保したい利益を設定する
 「最低限ここまでは利益を残したい」というラインを決めます。

残った金額を広告費に充てる
 粗利益から固定費と利益を引いた“残り”が、広告費として使える上限になります。

この流れで「売上 → 利益 → 広告費」の順に組み立てると、無理のない広告予算が見えてきます。

計算例

たとえば、月商100万円を目指すアパレルショップの場合:

  • 売上目標:100万円
  • 粗利率:30% → 粗利益30万円
  • 固定コスト(手数料・送料など):10万円
  • 最低限確保したい利益:10万円

使える広告費:30万円 − 10万円 − 10万円 = 10万円

この場合、広告費10万円で売上100万円を狙うので、
ROAS(広告費用対効果)は10倍(=1000%)が目安となります。

同様に、月商300万円・粗利率40%の美容商材店なら:

  • 粗利益:120万円
  • 固定費:50万円
  • 利益目標:40万円
    広告費の上限:30万円(ROAS約10倍)

ROASは業種や商材によって6〜10倍前後が現実的なラインです。

楽天特有でかかるコストも意識する!

楽天では、出店料やポイント負担などのコストが多く、
「思ったより利益が残らない」ケースが非常に多いです。

代表的な費用構成は以下の通りです:

  • 出店料・システム利用料:約7〜10%
  • ポイント原資:約1〜3%
  • 送料無料ライン・値引きによる利益圧縮
  • 外注費・人件費 など

こうしたコストを含めて考えると、
表面上の利益率30% → 実質10〜15%程度に下がることも珍しくありません。
そのため、広告費を「売上の○%」だけで決めてしまうのは危険です。

楽天市場で広告費を考える際の3つの注意点

楽天市場で広告を運用する際、「売上を伸ばすこと」だけを目的に予算を増やすのは危険です。広告は効果的な販売促進手段である一方、使い方を誤ると利益を圧迫し、逆効果になる場合もあります。

ここでは、広告費を適切に管理・運営するために抑えておきたい3つの注意点を解説します。

売上が増えても、利益が増えるとは限らない

広告を出すことで、アクセスや売上が上がっても、必ずしも利益が拡大するとは限りません。

特に以下のようなケースでは、売上が増えても実質的な収益は減少します。

  • 利益率の低い商品に過剰な広告費を投下している
  • ポイント還元や送料無料などで粗利が圧縮されている
  • ROAS(広告費用対効果)が低下しているにもかかわらず放置している

広告だけに頼った集客は危険

楽天市場では、広告以外にも集客力を高める要素が数多く存在します。

  • SEO対策(検索結果での自然表示対策)
  • レビュー獲得、レビュー内容の充実
  • 楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどのイベント活用
  • SNSや外部流入との連携

これらの土台が整っていない状態で広告施策だけを強化しても、売上が伸びるのは一時的であり、広告を停止した途端に失速してしまう可能性が高くなります。

広告はあくまで「売上を伸ばすための加速装置」です。
商品力やページ設計、販促施策と組み合わせてこそ、本来の効果を発揮します。

効果検証をしないまま広告を惰性で続けてしまう

楽天広告は一度設定すると自動的に配信が続くため、
明確な成果が見えなくても惰性で継続してしまうケースが非常に多いです。

特にRPP広告(検索連動型広告)では、

  • 成約につながっていないキーワード
  • クリックだけ多く、売れていない商品
  • 競合が強すぎて費用対効果が合わない検索語

に広告費が使われていることも珍しくありません。

定期的にデータを確認し、「本当に売れている商品・キーワード」に広告費を集中させましょう。
この見直しが、無駄な広告費を防ぐ最大のポイントです。

まとめ

本記事では、「楽天市場における広告費の最適解」について徹底的に解説をしてきました。

楽天市場での成功には、最適な広告費の設定が欠かせません。ぜひ本記事を参考に、広告費を考えてみてください。

本記事でご紹介差し上げた内容以外に関しましても、弊社では無料にて相談会を実施させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。

本記事を閲覧いただきありがとうございました。


Written by
荻野 勇斗
Finner株式会社 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、楽天グループ株式会社に入社。楽天では関東地方や中部地方を中心に商材ジャンルを問わず、SOY受賞店舗を含めて約500店舗のコンサルティングを経験。楽天卒業後、株式会社セールスフォース・ジャパンに入社し、CRMを中心としたBtoCマーケティングご支援の経験。
その後、急成長のECコンサルティングスタートアップ企業の開業2期目に事業責任者として参画。同社にて楽天市場だけではなくAmazonやYahoo!ショッピング、自社ECサイトなど様々な形態・商材ジャンルのEC店舗の立ち上げ〜コンサルティング事業に従事。現在はECコンサルティング・運営代行事業を中心としたFinner株式会社を設立し、クライアントのECコンサルティングや運営代行を担う。

ご質問やサービスについてのお問い合わせなど

なんでもお気軽にご相談ください

フォームに必須事項をご入力の上、送信してください。
担当者が内容を確認後、1営業日以内にご連絡いたします。

    弊社のプライバシーポリシーに同意の上、

    「お問い合わせをする(無料)」をクリック⁩してください。


    会社紹介を見る
    Company
    Finner(フィナー)の会社概要や代表あいさつ、役員紹介はこちらから確認いただけます。
    サービス資料を
    ダウンロードする(無料)
    Service Materials
    ECサイト運営支援、CRMコンサルティングのより詳細な資料はこちらから無料でダウンロードできます。
    楽天コンサル31社比較資料を
    ダウンロードする(無料)
    Useful Materials
    ECサイト運営、CRM全般についてすぐに実践に活かせる資料はこちらから無料でダウンロードできます。
    お問い合わせをする(無料)
    Contact
    各種ご支援に関する無料ご相談はこちらから。どんな些細なことでもお気軽にご連絡ください。
    ECサイト運営&CRM活用の無料相談実施中 ※月5社限定
    無料相談してみる