弊社はECを中心として、売上向上に向けたサービスを展開しています。
今回は日々の業務で培ったノウハウから、楽天市場のリピート施策について徹底的に解説をしていきます。
まず、ECモール全体の平均リピート率はどれくらいなのでしょうか?
結論、業種や商品によって大きく異なりますが、基本的にECモール全般で見ると以下のようになっています。
◯購入後に何もフォローをしていない場合で「15%程度」のリピート率
◯購入後に継続的な対策を行っている場合で「30%程度」のリピート率
しっかりと対策を行っていくことで弊社でもご支援先でリピート率を数ヶ月で2.4倍にすることができた事例もあり、リピート施策は売上に直結する施策になります。
本記事では楽天市場のリピーター獲得に向けて12つの具体的な施策を記載していますので、是非ご参考にいただけますと幸いです。
Finnerでは成果が実証されたノウハウ・経験にもとづいて、EC戦略立案から施策実行の代行までご支援しています。EC領域でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
では、楽天市場でリピーターを得ることによるメリットとは何なのでしょうか?
端的に言うとこの3つです。
店舗での事業と同様に、楽天市場でも「売上はリピート客によって支えられている」ことを覚えておきましょう。
皆様はパレートの法則をご存知でしょうか?パレートの法則とは『経済活動全般において、全体の数値の大部分(80%)は、全体を構成する要素の一部(20%)が生み出しているとする仮説』です。
楽天市場などのECモールではリピーターがこの20%ですべてとは言いませんが、リピーターを20%の優良企業にできる可能性を見越して施策をおこなっていくことが重要です。
また最近では楽天市場などのEC業界ではLTV(ライフタイムバリュー)という考えが重要視されています。
LTVとは「顧客が企業にもたらす生涯利益」のことを指しており、例えば、とある顧客からの購入が1回で終わってしまう場合よりも、2回目以降も購入(リピート)が継続した場合の方がLTVは高くなります。
是非リピート施策を行う際はこのLTVも指標として見ていくことをおすすめします。
リピーターの獲得は直接的に集客コストの削減に繋がります。実は新規で顧客を獲得する際のコストはリピーターを獲得する際のコストの5倍程度と一般的にも言われています。
これはマーケティングの用語で「1:5の法則」と言われており、
新規で商品を購入される方は、以下のような考えを持っていることに対して
・商品検索がめんどうで時間がかかる
・使用方法などを調べるのも大変
・初回購入で失敗したら嫌だ
リピートで購入される方は以下のように心理的ハードルが少なくなることが理由とされています。
・サービスやサポートを知っているから安心
・商品に対する知識もある
・一回買って失敗しなかったから次も大丈夫だ
もちろん認知されていないことなども大きくコストがかかってくる理由ともなりますが、リピート顧客では心理的ハードルの低さから購入が増えるケースも多くあります。
また、1:5の法則の他に「5:25の法則」もリピーター獲得が重要となる考えの一つです。
「5:25の法則」とは顧客の離脱を5%改善すれば、利益が最低でも25%改善されるという法則です。
既存顧客にかかる販売コストは、1:5の法則の通り低いので、顧客の離脱を5%改善するだけで自社の大きな利益に繋げることができます。
実はリピーター獲得は新規獲得に間接的に関係があります。
例えば楽天市場内では売上金額と売上件数が直接的にSEOにも関係してくるといわれています。そのため、購入数に応じて商品の検索順位も上がってくることが理由で新規のアクセスにもつながってきます。
また楽天ユーザーはレビュー(もしくはレビュー数)を見て購入するケースも多いため、リピーターの数が増えるほどレビューが蓄積されていった結果、新規の楽天市場ユーザーが安心して購入できる商品ページになっていきます。
リピーターが増えない理由は実は分析をしてみなければわからないこともありますので、楽天市場であればRMSからデータを見て「なぜリピーターが来ないのか」考えていきましょう。
楽天市場でリピーターが増えない原因の例を下記に記載しますので、参考にしてください。
・商品やサービスの印象が薄く、購入継続のイメージが持てない
・そもそも顧客が求めている商品やサービスがない
・サムネイルやバナーなどで商品やサービスの良さをアピールできていない
・レビュークーポンの発行などのリピーター獲得の仕組みができていない
ではここからどの様に楽天市場でリピーターを獲得していくか、その具体的な施策をご紹介します。
結論、楽天市場でリピーターを獲得していくためには以下のXXの施策を行っていきましょう。
冒頭でもお話したようにリピーター獲得をする手段は非常に多くあります。ここからは各施策についてご紹介をしていきますが、もし施策の優先順位決定などに迷われている際はお気軽にご連絡くださいませ!
まずリピート施策(リピーター増加施策)を行っていくうえで、RMSを用いて既存顧客の分析を行っていきましょう。
リピーターを獲得する上では分析業務が必須ですが、分析が高いクオリティで出来ていて、自社にリソースが十分にある場合、あとは施策を実行するのみです。
現在、自社の商品を購入してくれているユーザーの属性や、購入傾向によって今後どの様なリピーター施策(リピート施策)を打っていくか大きく変わってきます。
またメルマガやR-SNSのLINE配信などを行っている場合については「最適なユーザーに最適な情報を届けていくことが出来る」ため、まずリピーターを獲得する上では自社のことをよく知っておく必要があります。
ではどこから具体的にリピーターの分析を行っていけばいいのでしょうか?
結論、RMSにログインをして「RMS>データ分析>販促効果測定>顧客分析レポート」の順に見ていけば、既存顧客レポートを見ることができます。
ぜひ、まずはRMSにログインして分析結果を見てみましょう!その他、受注データを用いて既存顧客を分析する方法もありますが、かなり面倒な作業になるため、まずはRMSのデータを見るだけで問題ございません。
もし自社で行うリソースやノウハウがない場合や、分析をした上で施策の検討に悩まれている際は以下の無料分析よりお気軽にご相談くださいませ。
メルマガやR-SNSを利用したLINE配信はまだ行っていない場合、リピーターを獲得していくことを検討している際には必ず行ってください。
実は楽天市場では「直接的」に「既存顧客」にアプローチする方法は2種類しかありません。
それぞれ魅力がありますが、最近ではやはりLINE配信をオススメします。
メルマガについては購入と同時に顧客リストが貯まるため、購入が増えてきたタイミングで「特に楽天スーパーSALE前」には必ず配信するようにしてください。
楽天市場のヘビーユーザーは「スーパーSALEのタイミングで各社の商品が安くなること」や「ポイント率が増加すること」を知っていますので、リピーター獲得施策として必ず配信していきましょう。
ただし注意点として楽天では商品購入時にチェックを外さなければメルマガ会員になりますが、購入者の20%程度しかメルマガ会員にはなりませんので、その点を留意してください。
また、LINE登録については「登録者にクーポンを発行する」ことでお友達登録を促進していきましょう。粗利がほとんどない商品でなければ、基本的に300円からのクーポンを発行することで友だち登録と同時に購入が促進されます。まずはバナーなどを作成して、LINE登録者数を増やしていきましょう。
以下にバナーの参考例を載せておきます。
余談ですが、LINEは月間ユーザー数9,500万人(2023年3月末時点)とほぼ日本分布に近いユーザー数がいます。ユーザーの属性としては10代から65歳以上で、ほぼ年代層に偏りなくユーザーが利用しています。
楽天市場では一般的に40〜50代以上の方が多く利用しているとされていますが、その様な世代の方もLINEは多く利用していますので、リピーター獲得施策としては非常に相性が良いです。
リピーターを増やしていくうえで「お気に入り登録」活用するという方法もあります。
ユーザーはお気に入り登録をすると登録した商品について以下の情報を受け取ることが出来るようになります。
つまり自分自身がほしいと考えている商品について、買い忘れを防止したり、お得になったタイミングを狙って購入をすることが出来るようになります。
その様なユーザーにお気に入り登録をいただくことで、リピーターの向上につなげることができます。
オススメは「お気に入り登録ボタン」をカスタムすることです。
ボタンのカスタムと言っても、バナーを作成するというイメージです。
(画像引用:https://item.rakuten.co.jp/hidaka/hpw-1040/)
上記のように商品ページ内にバナーを配置したりすることで、お気に入り登録を推進していきましょう!
また「赤」や「黄色」などのボタンがおすすで、できれば「お得なクーポンの通知をGET!」などの文言をいれることをおすすめします!
まず入口商品とは、お客様に最初に提案する、もしくは買ってもらうための商品を指しています。皆様もよくスーパーのチラシなどで「納豆がXX円になっています!」というような文言を見たことあると思います。
これはただ納豆だけを購入してほしいわけではなく、納豆を買った後にいろいろスーパーを見てもらって他の商品を買って欲しい、また来店して欲しいという意図があってこの様な施策を打っているわけです。
楽天市場で入口商品を作る一番のメリットはアクセスの増加です。アクセス増加は売上上昇にも直接繋がってきますが、楽天などで売れ続けるため、リピーターに再度気がついてもらうためにはランキングや検索順位の上位を取ることが必要になっていますので、是非取り組みを進めていきましょう。
ただし、楽天市場で入口商品を作りにくいジャンルのお店もあります。例えば充電器をタイプ別に1商品ずつ出している場合などは難しいでしょう。
その他、入口商品としては「ギフト商品」もおすすめです。独自のラッピングやメッセージカードのオプションを用意することで、気に入った商品をリピート購入してくれる可能性も高まります。もちろん顧客体験がよければ受け手も同様に別の方に同じギフトを送るかもしれません。
ちなみに楽天市場内でリピーターになりやすい商品を探すためには「RMS>データ分析>店舗カルテ>店舗カルテ>売れている商品は?>2年間通算 購入商品別顧客獲得数」を見ていけばわかります。
よく楽天市場では広告運用が重要と聞かれるかと思いますが、リピーターを増やすためにはTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)を活用してみるのも手だと思います。
TDA広告では、そもそもリピーターになりやすい(リピートしてくれやすい)属性の楽天市場ユーザーに向けて広告を配信することができます。実はかなり細かく設定することが出来るため、自社で分析をした結果に基づいてTDA広告を配信していきましょう。
ただし、注意点としては広告レポートがビュースルーコンバージョン形式であることです。ビュースルーコンバージョンとは、一度広告が表示されてクリックしなかったユーザーが、その後、別の経由でサイトを訪れて購入することを指します。
ビュースルーコンバージョンでの広告効果の判断はかなり難しいのが現状です。そのため、広告レポートだけを見るのではなく、TDA広告を活用した商品の売上上昇率などについて自社内の基準を創って運用することをおすすめします。
商品ページは一見、関連性がないように思われますが正直かなり重要です。
多くの顧客は入力数が少ないことや商品ページでスムーズに購入できることを嬉しく感じます。楽天市場のサービスページが初期ユーザー向けだけに作られている場合、必要のない項目まで入力させている場合もありますので、あらためて商品ページの構成を見直してみましょう。
参考までに弊社記載の記事も貼っておきますので是非リピーター獲得に向けて、ご参考いただけますと幸いです。
余談ですが、リピーター獲得に向けて商品ページ内に商品関連バナーや共通スライダーバナーを作成することもおすすめです。
「サンキュークーポン」とは楽天市場を初めて利用したユーザーに対して、2回目の利用を促すクーポンとなります。
楽天市場ユーザー側の立場でも初期の段階では最も活用がしやすいクーポンでとなっており、ファン化やリピーター獲得に非常に役立つクーポンです。サンキュークーポンは商品を購入した際に、注文画面で取得することができ、次回の購入時に利用することが可能ですので、リピーター獲得に直接的に繋がります。
皆様も一般的なラーメン屋などの飲食店などでも次回来店で「煮玉子サービス券」などをもらったことがあるかと思いますが、シンプルに言うとそれです。ですので、顧客としても馴染みがあり、比較的利用者が多いクーポンとなります。
楽天市場に関係なく、リピーター獲得には「初回購入の満足度を高める」ことがまず前提として重要です。
一例ですが段ボール箱がぐちゃぐちゃになっていたり(配送の関係もあるとは思いますが)、そもそも商品に不満があった場合にはリピーターにはなりません。むしろ低評価レビューがつくこともありますので、注意が必要です。
ですので、購入後のフォローはしっかり行っていきましょう。商品の説明書はもちろんアレンジレシピなどを同封したり工夫は色々とあると思います。
もちろん、サンプル品などをつけても良いかと思います。その場ですぐに使うことはなくとも、サンプル品を旅行先に持っていったりする方も多いので、将来的な効果に繋がります。
そのほかですと、リピーター獲得に向けた同梱物や梱包の例は下記があります。
・挨拶状の同封
・商品チラシの同封
・商品カタログの同封
・クーポン、サンプル商品の同封
・梱包材への店舗名やロゴの記入
上記の様な取り組みを通じて、自社のことを最初に思い出していただけるようにしていきましょう。
近年、楽天市場では楽天全体として「この記事」からもわかるように顧客満足度の向上に強く力を入れています。
楽天市場だけではなく、ECモール全般でリピーターを獲得するためには「配送スピード」を重視することが必要になっています。
楽天市場ユーザーの多くは楽天市場だけではなく、Amazonなどの利用をしています。もちろん楽天市場ユーザーに中には配送スピードにこだわっていない方も多くいらっしゃいますが、なかなか商品が届かないお店とすぐに商品が届くお店を比較した際に、やはり選ばれるのは「配送スピードが早いお店」であることも事実です。
中には配送スピードが速いことを理由に、値段が少々高くても、配送が速いお店で購入する人もいますので、気を遣っておくことが重要です。
皆様も商品に関する問い合わせなどを自分自身でした経験がある方も多いのではないでしょうか?その場合に、スピードが早く適切な対応をとってくれた企業への好感度は高くなるかと思います。
もちろんクレームなどの問い合わせがないようにすることが一番ですが、どの様なタイミングで問い合わせが来ても対応できるような仕組みを構築しておくことも重要です。
これは高評価レビューの場合でも重要ですが、特に低評価レビューが付いてしまったときには必ず返信をすることをおすすめします。
楽天市場内では、基本的にあまりに酷い投稿以外はレビューの削除ができないと思ってください。
レビューはリピーター獲得だけではなく、新規獲得にも大きく影響してきますので注意が必要です。
多くの場合はリソースが足りず返信ができていないことも重々承知しておりますので、弊社ではレビュー返信も代行として承っています。ご気軽にご連絡ください。
楽天内でできる施策ではありませんが、TwitterやInstagramなどのアカウントを開設することもオススメします。
楽天市場のユーザーは昨今、楽天スーパーSALEの前などには積極的にTwitterで情報交換をしている姿が見られます。
スーパーSALE中には「#楽天スーパーSALE」がトレンド入りをするなど、かなり注目を集めています。
楽天市場内でリピーター施策を行っていく上で、PDCAサイクルを回していくことも非常に重要です。
自社でのなにか取り組みを行った上で毎回「RMS>データ分析>店舗カルテ>店舗カルテ>購入している顧客は?」から結果と推移を確認していきましょう。
目安としては2週間から1ヵ月でPDCAを繰り返し回していくことを強くおすすめします。
またリピーター比率についてはサンキュークーポンの利用から確認ができます。RMS内で「RMS>店舗設定>クーポン設定>サンキュークーポン効果見積もり>見積り参考データ」を確認してみてください。
正直、業界や商品によって大きく異なりますが、楽天市場全体のリピート率が30%程度ですので、この数字を目標にしても良いかと思います。
ただしECモール全般で考えると、以下のように比較的バラバラです。
①アパレル業界における通販サイトの平均リピート率はおよそ35%であったり、
②特にアパレル内でブランド力が高い通販サイトにおいてはリピート率が50%近くになることもあったり、
③健康食品や化粧品を取り扱うECサイトの平均リピート率は平均50%
ただ注意が必要なのがあまりに「新規:既存」の売上割合で既存が多かった場合(リピート率があまりに多い場合)は新規の獲得ができていないことになりますので注意が必要です。
本記事では楽天市場でリピーター獲得するために行う12つの具体施策についてご紹介してきました。
弊社ではリピーター獲得に強みを持っていますが、基本的に楽天市場に関することを(受発注業務以外)すべてコンサルテーション・運営代行をさせていただいております。無料でご相談に乗ることも可能ですのでぜひお気軽にお問い合わせください。
本記事を閲覧頂きありがとうございました。
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