弊社はEC領域を中心として、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10などのECモール運営支援から自社EC・Shopifyの構築支援まで、売上向上に向けたサービスを展開しています。
今回は日々の業務で培ったノウハウから、本記事ではEC市場規模・最新トレンドについて徹底的に解説をしていきます。
「EC市場はまだ伸びているのか?」「競合他社と比べて自社の成長ペースは妥当なのか?」「これからどのトレンドに乗ればいいのか?」といった疑問を抱えているEC事業者の方も少なくないのではないでしょうか?

EC市場規模とは、インターネットを通じた商品・サービスの売買(電子商取引)の総額を指します。経済産業省が毎年「電子商取引に関する市場調査」として公表しており、EC事業者が自社の事業規模を市場全体と比較したり、今後の事業計画を立てたりする際の基礎データとして広く活用されています。
EC化率とは、すべての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC(電子商取引)の売上が占める割合を指します。ある商品カテゴリの商取引総額が100億円、そのうちEC経由が30億円であれば、EC化率は30%です。
EC化率が低いカテゴリは「まだEC購買が浸透しきっていない=伸びしろが大きい」と読み取れます。一方でEC化率が高いカテゴリは成熟が進んでいるため、差別化施策や価格以外の付加価値の創出が成長のカギを握ります。
EC市場はビジネスモデル別に大きく3つに分類されます。
| 種類 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| BtoC-EC | 企業→一般消費者への販売 | 楽天市場、Amazon、自社ECサイト |
| BtoB-EC | 企業→企業への販売・受発注 | 卸売りECシステム、企業間受発注プラットフォーム |
| CtoC-EC | 個人→個人の売買 | メルカリ、ヤフオク!、ラクマ |
本記事では、EC事業者に最も関連性の高いBtoC-ECを中心に、BtoB・CtoC・越境ECの最新数値も合わせて解説します。以下で詳しく見ていきましょう。
EC市場の数字はわかったけど、自社の売上成長率が市場平均より低くて焦っていませんか?
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店舗無料分析に申し込む(無料) →2025年8月に経済産業省が公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2024年実績値)をもとに、最新データをカテゴリ別にまとめます。
2024年の日本国内BtoC-EC市場規模は26兆1,225億円(前年24兆8,435億円、前年比+5.1%増)となりました。コロナ禍での急拡大期を経て成長ペースは落ち着きつつも、市場全体は引き続き拡大しています。
分野別の内訳は以下のとおりです。
| 分野 | 市場規模 | 前年比 |
|---|---|---|
| 物販系分野(衣類・家電・食品 等) | 15兆2,194億円 | +3.70% |
| サービス系分野(旅行・飲食予約・チケット 等) | 8兆2,256億円 | +9.43% |
| デジタル系分野(電子書籍・オンラインゲーム 等) | 2兆6,776億円 | +1.02% |
特筆すべきはサービス系分野の伸び(+9.43%)です。コロナ禍で大幅に落ち込んでいた旅行・飲食予約・金融サービスが引き続き回復し、市場全体の成長を牽引しました。物販系の成長率は+3.70%とやや落ち着きが見られますが、EC利用が日常に定着した「成熟・安定成長期」に入ったと読み取れます。
EC事業者が最も参考にすべき、物販系分野のカテゴリ別データをまとめました。
| カテゴリ | 市場規模 | EC化率 |
|---|---|---|
| 食品、飲料、酒類 | 3兆1,163億円 | 4.52%(伸びしろ大) |
| 衣類・服装雑貨等 | 2兆7,980億円 | 23.38% |
| 生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 | 2兆7,443億円 | 43.03%(成熟) |
| 生活雑貨、家具、インテリア | 2兆5,616億円 | 32.58% |
| 書籍、映像・音楽ソフト | (前年比マイナス) | 56.45%(最高) |
食品・飲料・酒類のEC化率がわずか4.52%という点は見逃せないポイントです。市場規模は最大カテゴリでありながら、EC化率が極めて低い。つまり、まだ大半の購買がリアル店舗で完結しており、参入余地と成長余地が非常に大きいカテゴリといえます。
一般消費者の目には触れにくいBtoB-EC(企業間電子商取引)ですが、市場規模は514兆4,069億円(前年465.2兆円、前年比+10.6%増)と、BtoC-ECの約20倍に達します。EC化率も43.1%(前年比+3.1ポイント増)と急伸しており、企業間の受発注・調達のオンライン化が急速に進んでいることを示しています。
メルカリ・ラクマ・ヤフオク!に代表されるCtoC-EC(個人間取引)の市場規模は2兆5,269億円(前年比+1.82%)。成長ペースは緩やかになりましたが、消費者がモノを手放す・買う行動が日常に定着しており、リユース市場として完全に定着した状況です。
2024年の越境ECでは、中国消費者による日本事業者からの購入額が2兆6,372億円(前年比+8.5%増)、米国事業者からの購入額が3兆1,397億円(前年比+6.0%増)と、いずれも増加しています。円安が続く中で日本製品の価格競争力は依然として高く、越境ECは中小EC事業者にとっても現実的な成長路線の一つになっています。
同調査によると、2024年の全世界BtoC-EC市場規模の推計値は926兆円(旅行・チケット販売を除く)。中国が世界最大のEC市場を形成しており、インド・東南アジアなどの新興市場でもECの普及が加速しています。日本のEC化率(物販系:9.8%)は世界的に見てまだ低い水準にあり、伸びしろの大きさを示しています。

「26兆円」という数字は重要なシグナルですが、EC事業者がこのデータをビジネスに活かすためには、表面上の数字だけでなく「その裏側の構造」まで読み解くことが必要です。弊社が500店舗以上の支援を通じて実感してきた視点を3つお伝えします。
BtoC-EC(物販系)の市場成長率は2024年で+3.70%。これは全体の平均値です。自社の前年比売上成長率がこれを上回っていれば「市場シェアを取れている」、下回っていれば「市場全体の成長に乗れていない」と判断できます。
「それなりに売れている」という感覚的な判断ではなく、市場データを基準に自社の成長を客観視する習慣を持つことが、EC経営の精度を高める第一歩です。
自社が扱う商品カテゴリのEC化率が低いほど、今後の成長余地が大きいと読み取れます。たとえば食品・飲料・酒類のEC化率4.52%は、まだ市場の95%以上がリアル購買であることを意味します。ここに参入・注力するという判断は、データが裏付ける成長戦略といえます。
逆に、EC化率が40%を超える家電・PC周辺機器等のカテゴリでは、価格競争が激しく差別化が難しい。この場合は「いかに広告費をかけずに売るか」「いかにリピーターを育てるか」という収益構造の改善がより重要になります。
物販系ECの成長率は、2021年(+7.35%)→2022年(+9.91%)→2023年(+9.23%)→2024年(+3.70%)と年々低下しています。これは「EC市場が成熟期に移行した」ことを示しており、「新規顧客を獲得するだけの戦略」では成長が鈍化しやすい局面に入ったことを意味します。
この局面で重要になるのが、LTV(顧客生涯価値)の最大化です。既存顧客のリピート率を高め、定期購入やCRMへの投資が収益に直結する時代になっています。
一言コメント
Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗
500店舗以上のEC支援実績
市場の成熟化が進む中、EC事業者が次の成長フェーズに向けて把握しておくべきトレンドを6つ解説します。競合記事の多くがOMO・AI・モバイルの3〜5項目で終わっていますが、弊社の支援現場で実際に影響が出ているポイントも含めて網羅的にまとめました。
物販系EC市場の成長率鈍化を受け、新規顧客獲得コストが上昇し続けています。弊社の支援現場でも「広告を増やしても利益が残らない」という相談が増えており、LTV(顧客生涯価値)の最大化を起点にした戦略への転換が急務になっています。
弊社がご支援した健康食品メーカー様では、購入後のステップメール設計(商品到着→使い方説明→リピート訴求の3段階)とLINE友だち追加施策を組み合わせた結果、リピート購入率が12%→25%(約2.1倍)に向上しました(※社名非公開)。定期購入・CRM・メルマガへの投資が今後のEC事業の競争力を左右します。
OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインの境界をなくした購買体験を指します。「店舗で手に取り、ECで注文する」「ECで購入し、店舗で受け取る(BOPIS)」といったシームレスな体験が当たり前になりつつあります。
実店舗を持つ事業者がECモールに参入するケースや、ECで成長した事業者がリアル展開に踏み出すケースが増えています。顧客データを一元化して一貫したコミュニケーションをとる体制づくりが、OMO時代の競争力の源泉になります。
楽天市場・AmazonともにスマートフォンからのEC購買比率は年々上昇しており、物販系BtoC-ECの過半数がモバイル経由になっています。サムネイル画像がスマホ画面でどう見えるか、商品ページがモバイルで読みやすいか、アプリ連動クーポンが機能しているか——これらは集客・転換率を左右する直接的な要素です。
スマホ最適化への対応が遅れると、集客できてもCVRが低いまま推移するという典型的な状況に陥ります。
2025年以降、EC事業へのAI活用が急速に進んでいます。商品説明文の自動生成、検索キーワード分析、広告クリエイティブのABテスト効率化、チャットボットによるカスタマーサポートなど、AIは「業務の効率化ツール」から「売上に直結する施策ツール」へと変わりつつあります。
また、ChatGPTショッピング機能など「AI経由での商品発見・購買」が現実のものとなっており、従来のSEO・広告だけでは届かない消費者層へのアプローチ手段として注目が高まっています。
2024年に日本で正式リリースされたTikTok Shopをはじめ、SNSと購買を一体化させた「ソーシャルコマース」の市場が急成長しています。動画コンテンツで商品を認知させ、そのままアプリ内で購入まで完結させる仕組みは、特に若年層のEC購買行動を大きく変えつつあります。
楽天・Amazonのモール内だけでなく、SNSからの流入も含めた「マルチチャネル集客」の視点が今後のEC戦略に不可欠になっています。
円安を背景に中国・米国からの越境EC需要が増加する中、中小EC事業者にとっても越境EC参入が現実的な選択肢になっています。Qoo10やAmazonの越境対応機能、ShopifyのMulti-languageアプリなど、ツールの整備も進んでいます。
国内EC市場の成熟化と越境EC需要の拡大は表裏一体です。国内で競争が激しいカテゴリほど、海外販路の開拓が成長余地になりうることを頭に入れておきましょう。
市場全体の成長が続く一方、個々のEC事業者が直面する課題も深刻化しています。弊社の支援先でよく見るパターンをもとに整理します。
成長期には「広告を増やせば売れる」という構造が機能していました。しかし市場が成熟した今、CPCの上昇・ROASの低下が続き、「広告費を増やしても利益が残らない」状況に陥る事業者が増えています。SEOや自然検索流入、CRM施策によるリピーターの育成など、オーガニックな集客基盤の構築が急務です。
弊社がご支援したベビー用品D2Cブランド様では、楽天サジェストキーワードの網羅調査と商品ページのSEO最適化を実施した結果、検索経由のオーガニック流入が約3.5倍に増加し、RPP広告費を30%削減しながら売上を維持できるようになりました(※社名非公開)。
楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10・自社ECと複数チャネルを持つ事業者が増える一方、各モールの運営には専門知識と工数が必要です。「全部やろうとして全部中途半端になる」という状況は、弊社に相談が来る事業者様に非常によく見られるパターンです。
各モールの特性(楽天:ポイント・イベント連動、Amazon:検索アルゴリズム・FBA、Yahoo!:PayPay経済圏)を踏まえた施策の切り分けと、リソース配分の最適化が重要な課題です。
「広告をとりあえず回している」「イベントにエントリーはしているが効果検証できていない」——このような属人的・場当たり的な運用では、市場が成熟するほど成果が出にくくなります。KPIを流入・CVR・単価・LTVに分解し、課題の所在を明確にした上で施策に落とし込む体制が求められています。
一言コメント
Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗
500店舗以上のEC支援実績
本記事の内容をまとめます。
市場データはあくまで「現在地の確認」に使うものです。重要なのは、そのデータをもとに自社のどこに課題があるかを正確に把握し、具体的な施策に落とし込めるかにあります。本記事がEC事業の戦略立案にお役立ていただけますと幸いです。
EC市場が成長している中、こんなお悩みはありませんか?
Finnerの支援実績
弊社がご支援した地方中堅食品メーカー様では、楽天・Amazon・Yahoo!の3モールを5名体制で横断支援。カスタマージャーニー設計と戦略策定を一気通貫で実施した結果、支援開始1年で楽天YoY268%・Amazon YoY178%・Yahoo! YoY148%を達成されました(※社名非公開)。
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