【2026年最新】越境ECとは?仕組み・始め方・プラットフォーム選定まで徹底解説!

更新日:2026/06/01
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弊社はAmazon・楽天市場・Qoo10・Yahoo!ショッピングなどのECモールを中心として、売上向上に向けたサービスを展開しています。

本記事では、日々の業務で培ったノウハウから、越境EC(クロスボーダーEC)の仕組み・始め方・プラットフォーム選定について徹底的に解説をしていきます。

「越境ECに興味はあるが、何から手を付ければいいのかわからない」「国内のECモール運営と並行して海外販売を始めたい」「どのプラットフォームを選べばいいのか判断できない」——そんな悩みを抱えているEC事業者の方も少なくないのではないでしょうか?

本記事では、越境ECの基本的な定義から最新の市場動向、メリット・リスク、参入市場の選び方、プラットフォーム比較、そして具体的な始め方のステップまで網羅的にお伝えします。ぜひ最後までご覧ください!

Finnerでは成果が実証されたノウハウ・経験にもとづいて、EC戦略立案から施策実行の代行までご支援しています。EC領域でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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目次

越境ECとは?

越境ECの定義

越境EC(Cross-Border E-Commerce)とは、国境を越えてオンライン上で商品・サービスを売買する電子商取引のことです。たとえば、日本のEC事業者がアメリカ・中国・東南アジアの消費者に商品を販売するケース、あるいは海外のブランドが日本の消費者に直接売るケースがこれにあたります。

日本では、経済産業省が平成23年度の調査報告書で「越境EC」という用語を定義して以来、この呼び方が業界全体に定着しました。従来は「海外通信販売」と呼ばれていたものが、インターネット通販の普及とともに「越境EC」として再定義されたかたちです。

国内のECと根本的に違うのは、販売先が「日本国内」という枠を超えている点です。そのため、言語・決済・物流・法規制など、国内ECにはない複数の壁を乗り越える必要がありますが、その分だけ商圏は格段に広がります。

国内ECとの決定的な3つの違い

越境ECを始める前に、国内ECとの違いをしっかり把握しておくことが重要です。大きく分けると以下の3点が異なります。

比較項目 国内EC 越境EC
言語 日本語のみで対応可能 販売先の言語に合わせた対応が必要(英語・中国語・韓国語など)
決済 クレジットカード・コンビニ払い・代引きなど国内決済 PayPal・Alipay・WeChat Payなど各国の主要決済に対応が必要
物流・配送 国内配送のみ。ヤマト・佐川・日本郵便等 国際配送。関税・通関対応・配送日数の長期化が発生
法規制 日本の薬機法・景表法・特商法に準拠 販売先国の輸入規制・成分規制・表示規制への対応が必要

この4つの違いを理解した上で参入戦略を設計することが、越境EC成功の第一歩です。特に「法規制」は見落とされがちですが、化粧品・サプリメント・食品などは販売先国によって成分規制が厳しく、事前調査なしに進めると出品停止や回収リスクがあります。

越境ECの主なビジネスモデル

越境ECには大きく3つのビジネスモデルがあります。それぞれの特徴を理解し、自社のリソースや目標に合ったモデルを選ぶことが重要です。

①モール型(海外ECモールへの出品)
Amazon Global・Tmall Global(天猫国際)・Shopee・Lazadaなど、海外に展開する大型ECモールに商品を出品する形式です。既存のプラットフォームを活用するため、集客面でのハードルが低く、初期コストを抑えられます。一方で、モール手数料や価格競争にさらされやすい点に注意が必要です。

②自社EC型(自社越境ECサイトの構築)
Shopifyなどのプラットフォームを使って自社の越境ECサイトを立ち上げる形式です。ブランドの世界観を完全にコントロールでき、顧客データも自社に蓄積されます。ただし、集客を自力で行う必要があり、広告費や運用コストがかかります。

③ハイブリッド型(モール+自社EC)
海外モールで集客しながら、自社ECサイトでリピーターのLTVを高める複合戦略です。特定のブランド力がある商材や、リピート需要のある消耗品系商材で特に有効です。弊社が国内EC支援で複数モールを横断運用しているノウハウが、このハイブリッド型の設計にも活きてきます。

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Finnerでは、国内ECモールの運営支援で培った複数モール横断の知見をベースに、EC全般の戦略設計をご支援しています。国内EC運営と海外展開の両立についても、まずはお気軽にご相談ください。

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越境EC市場の最新動向(2026年版)

世界の越境EC市場規模

越境EC市場は世界規模で急拡大しています。2024年の世界の越境EC市場規模は約152兆円(約1兆USドル)と推計されており、2030年代には1,000兆円規模への拡大が予測されているほど成長ポテンシャルが高い市場です(経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」)。

この背景には、スマートフォンとインターネットの世界的普及により、海外の商品でも簡単に購入できる環境が整ってきたことが挙げられます。また、PayPalやStripeなど国際決済サービスの普及、DHL・FedExなどの国際配送ネットワークの充実も、越境ECの参入障壁を大きく下げています。

日本の越境EC市場規模(対中国・対米国)

日本に関しては、経済産業省が2024年9月に公表したデータによると、2023年に中国の消費者が日本事業者から購入した越境ECの取引額は約2.43兆円に達しています。前年(2022年:約2.25兆円)から約8%増加しており、継続的な拡大傾向が続いています。

米国向けについても、日本のモノづくりへの信頼度を背景に安定した需要があります。円安が続く局面では、海外消費者から見た日本製品の価格競争力が高まるため、参入のタイミングとしても今は好機といえるでしょう。

2026年注目の3つのトレンド

2026年現在、越境ECを取り巻く環境には3つの大きなトレンドがあります。競合記事の多くがこの視点に触れていませんが、実務上は非常に重要なポイントです。

①インバウンド客のリピート購入需要の増加
日本を訪れた訪日外国人観光客が、帰国後に越境ECで日本製品を継続購入するニーズが高まっています。「旅行中に見つけたが買い切れなかった」「帰国後も使い続けたい」という動機でのリピート購入が増えており、特にスキンケア・食品・雑貨カテゴリでこの傾向が顕著です。インバウンド対応と越境ECを一体化した戦略が注目されています。

②デミニミスルール廃止の影響
米国では2025年5月以降、中国・香港原産品への少額輸入非課税制度(デミニミスルール)の適用が停止され、2025年8月以降は全世界向けに停止されています。これにより、SHEINやTemuのような低価格中国系プラットフォームの価格優位性が大きく後退。品質訴求ができる日本製品にとっては、米国市場での競争環境が改善しているというプラス面があります。越境ECを検討するなら、この政策変化も追い風として活用できます。

③AI翻訳・AI活用による参入障壁の低下
かつて越境ECの最大の壁の一つだった「翻訳・ローカライズ」の問題が、AIの進化によって大幅に緩和されています。商品説明文の翻訳、カスタマーサポートの多言語対応、広告コピーの最適化など、以前は専門業者に頼らざるを得なかった作業がAIで効率化できるようになっています。中小規模のEC事業者でも、リソース不足を補いながら越境ECに参入しやすくなっているのが2026年の現状です。

越境ECの5つのメリット

①販売機会の拡大(国内市場の限界を超える)

越境ECの最大のメリットは、販売できる商圏が国内にとどまらないことです。日本の人口は約1億2,500万人ですが、アジアだけでも45億人以上の市場が広がっています。国内ECでは頭打ちになっている売上を、まったく異なる顧客層にアプローチすることで突破できる可能性があります。

特に、国内では競合が多くレッドオーシャン化しているジャンルでも、海外市場では競合が少なくニッチポジションを取れるケースが多々あります。「国内では埋もれてしまう商品が、海外では希少価値として高評価を受ける」という逆転現象も珍しくありません。

②「メイドインジャパン」ブランドの活用

日本製品は品質・安全性・デザイン性の高さで、世界的に高い信頼を得ています。特に中国・東南アジア・欧米市場では「Made in Japan」のブランド力が強く、国内での競合商品との価格差があっても選ばれやすい傾向があります。

化粧品・健康食品・食品・日用雑貨・工芸品・アパレルなど、「日本らしさ」「日本の品質」を訴求できる商材は越境ECとの相性が特に良いといえます。

③円安局面での価格競争力

円安が続く局面では、海外の消費者から見た日本製品の実質価格が下がります。同じ品質の商品でも「外貨で見ると割安」という価格訴求ができるため、越境ECの販売競争力が高まりやすい環境です。為替変動をリスクとして捉えるだけでなく、越境ECの追い風として活用できる視点を持つことが重要です。

④国内在庫の有効活用

国内で売れ残った在庫や、シーズンオフになった商品を、季節が逆の海外市場や別の需要がある市場で販売できます。「国内では売れない時期でも、海外では需要がある」という在庫の有効活用は、利益率の改善にも直結します。特にアパレル・食品・季節品を扱うEC事業者にとって見逃せないメリットです。

⑤インバウンド客のリピート購入需要を取り込める

訪日外国人観光客が日本滞在中に気に入った商品を、帰国後に越境ECで再購入するケースが増えています。この「インバウンドEC需要」は一度購入した顧客が高い確率でリピートしやすく、LTV(顧客生涯価値)が高い優良顧客になりやすい特徴があります。実店舗でのインバウンド対応と越境ECを連携させることで、一度限りの販売機会を長期的な収益に転換できます。

越境ECの6つのリスクと対策

越境ECには多くのメリットがある一方で、国内ECにはない固有のリスクも存在します。事前にリスクを把握し、対策を講じておくことが安定した運営につながります。

①言語・翻訳の壁への対策

商品説明・カスタマーサポート・レビュー対応など、あらゆる顧客接点で現地言語への対応が必要です。単純な機械翻訳では購買意欲を下げることもあるため、「翻訳」ではなく「翻案」の視点が重要です。同じ商品でも、中国市場では「美白効果」「天然成分」の訴求が刺さりやすく、米国市場では「サステナビリティ」「クリーンビューティー」の文脈が響きやすいなど、訴求軸を市場ごとに変える工夫が求められます。

近年はAI翻訳の精度が大幅に向上しており、ベースの翻訳にAIを活用しつつ、ネイティブチェックを組み合わせるハイブリッドなアプローチが現実的です。

②海外配送・物流コストへの対策

国際配送は国内配送と比べてコストが高く、配送日数も長くなります。また、商品の破損・紛失リスクや、現地での通関遅延も発生しえます。対策として、以下の方法が有効です。

海外倉庫(フルフィルメントセンター)の活用:現地に在庫を置き、配送日数を短縮する
Amazon FBAグローバル展開:Amazonの海外フルフィルメントを活用して配送体制を整える
送料を商品価格に組み込む:「送料無料」を打ち出すことで購入ハードルを下げる

③決済・通貨リスクへの対策

越境ECでは複数通貨での決済が必要になります。為替変動による売上・利益のブレ、海外決済手数料のコスト増も考慮が必要です。PayPal・Stripeなど国際決済に対応したサービスを導入し、為替の影響を定期的に確認しながら価格設定を見直す仕組みを整えましょう。

④法規制・関税・薬機法対応への対策

販売先国によって、輸入規制・成分規制・ラベル表示義務が異なります。特に化粧品・サプリメント・食品・医療機器は規制が厳しく、事前の法令調査が必須です。中国向けには化粧品の成分登録が必要な場合があり、米国向けにはFDA規制への対応が求められるケースもあります。

法規制の調査・対応は、JETROの無料相談窓口や各国の輸出専門コンサルタントを活用するのが効率的です。自社内だけで抱えようとせず、専門家のサポートを積極的に使いましょう。

⑤カスタマーサポートの多言語対応への対策

海外顧客からの問い合わせ・クレーム・返品対応は、現地言語で行う必要があります。対応スピードが遅かったり、言語の壁で意図が伝わらなかったりすると、低評価レビューにつながり、販売機会を大きく損ないます。

対策として、よくある問い合わせのテンプレートを事前に複数言語で用意しておく、AIチャットボットを活用して即時回答できる体制を整える、といった工夫が有効です。モール型の場合はモール側のサポート機能も活用できます。

⑥不正注文・チャージバックリスクへの対策

海外ECでは、盗まれたクレジットカード情報を使った不正注文や、「商品が届かない」と虚偽申告するチャージバック(クレジットカードの取引取消)のリスクが、国内ECより高い傾向があります。不正注文検知ツールの導入、追跡番号付きの配送方法の採用、配送完了の証跡保存など、リスク軽減策をあらかじめ整備しておくことが重要です。

越境ECに適した市場の選び方

越境ECを始めるにあたって、「どの国・地域に販売するか」の選定は戦略上の根幹です。市場ごとに消費者の嗜好・商習慣・規制が大きく異なるため、自社の商材特性に合った市場を選ぶことが成功の鍵になります。

中国市場の特徴と参入ポイント

中国は日本からの越境ECにとって最大の市場です。日本製品への信頼感が非常に高く、特にスキンケア・化粧品・健康食品・乳幼児用品・食品ジャンルで旺盛な需要があります。

主要プラットフォームはTmall Global(天猫国際)・JD Worldwide(京東国際)・WeChat ミニプログラム・Douyin(TikTok中国版)などです。KOL(キーオピニオンリーダー)を活用したライブコマースが購買に直結しやすく、SNSと越境ECを組み合わせた戦略が有効です。

一方、化粧品・健康食品は成分規制が厳しく、事前の薬事申請・登録が必要なケースがあります。また、ブランド模倣品対策として商標登録を早期に行うことも強く推奨されます。

米国市場の特徴と参入ポイント

米国はEC市場規模が世界第2位の巨大市場です。英語での対応が必要ですが、Amazon.comを活用することで出品から物流まで一気通貫で進められる利点があります。

前述のデミニミスルール廃止により、中国系プラットフォームの価格優位性が低下しているため、品質訴求型の日本製品にとって競争環境が改善しています。サステナビリティ・オーガニック・クリーンビューティーなどのキーワードで訴求できる商材は特に相性が良い市場です。

東南アジア市場の特徴と参入ポイント

タイ・シンガポール・マレーシア・フィリピン・インドネシアなどの東南アジア市場は、経済成長とスマートフォン普及を背景に越境EC市場が急拡大しています。主要プラットフォームはShopee・Lazadaで、これらのモールに出品することで複数国への展開が比較的容易です。

東南アジアは「日本のポップカルチャー」への親和性が高く、アニメ・ゲーム関連グッズ・日本のアパレルブランドへの需要が強いのが特徴です。また、所得水準が上昇する中間層の増加により、日本製の高品質な食品・コスメへの需要も伸びています。

市場選定の判断基準チェックリスト

どの市場に参入するかを決める際は、以下のチェックリストを参考にしてください。

チェック項目 確認内容
自社商材との相性 その市場で自社ジャンルへの需要・関心があるか?
競合状況 その市場での競合数・価格帯・ポジショニングはどうか?
法規制の難易度 自社商材の輸入規制・成分規制・表示義務はあるか?
物流の現実性 その国への配送コスト・日数・信頼性は許容範囲か?
プラットフォームの有無 その市場に適した販路・ECモールが存在するか?
社内リソース その言語・商習慣に対応できるリソースが用意できるか?

越境ECのプラットフォーム・販路を選ぶポイント

越境ECを始める際の大きな分岐点のひとつが「どのプラットフォームを使うか」です。モール型・自社EC型・ハイブリッド型それぞれのメリット・デメリットを整理します。

モール型のメリット・デメリット

Amazon Global・Tmall Global・Shopee・Lazadaなど、海外展開する大型ECモールに出品する形式です。

メリット:既存の集客基盤(膨大なユーザー数)を活用できるため、自分でゼロから集客する必要がない。決済・物流のインフラがある程度整っており、出品者側の初期投資が少ない。消費者からの信頼度が高い。

デメリット:モール手数料(売上の10〜20%程度)がかかる。価格競争にさらされやすく差別化が難しい。顧客データが取得しにくく、リピート施策を打ちにくい。ブランドの世界観を完全には表現できない。

自社EC型のメリット・デメリット

ShopifyやBASEなど、自社の越境ECサイトを構築する形式です。Shopifyは多言語・多通貨・海外決済に対応しており、現在の越境EC自社サイトのデファクトスタンダードとなっています。

メリット:ブランドの世界観を完全にコントロールできる。顧客データが自社に蓄積される。モール手数料がかからない分、利益率が高くなりやすい。メルマガ・SNS・リターゲティング広告など自由にCRM施策が打てる。

デメリット:集客をすべて自力で行う必要があり、広告費や運用コストがかかる。ゼロからの集客なので、売上立ち上がりまでに時間がかかりやすい。サイト制作・管理の工数が必要。

ハイブリッド型が最適なケース

弊社が国内ECの支援を行う中でも、「楽天市場で集客しながら自社ECでリピーターを育てる」という複数チャネル活用の戦略が成果を上げているケースを多く見てきました。越境ECでも同様の発想が有効です。

具体的には「Amazon Globalで新規顧客を獲得しながら、Shopifyの自社越境ECサイトでリピーターを囲い込む」という構造が典型的なハイブリッド型です。ハイブリッド型が特に有効なのは、リピート需要がある消耗品(サプリ・コスメ・食品)を扱う場合や、ある程度ブランド認知がある商材の場合です。

荻野勇斗 一言コメント Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗 500店舗以上のEC支援実績
「モール型か自社ECか」を悩む前に、まず「自社の商材が繰り返し買われるものかどうか」を確認してください。消耗品・リピート型商材ならハイブリッド型が最終的に一番利益を残しやすい構造です。一方、単価が高くリピートが少ない商材はモール型に集中する方が費用対効果が出やすい。弊社が国内EC支援でも常に意識しているのは「どこで集客してどこでリピートさせるか」のチャネル設計です。越境ECでも同じ考え方が基本になります。

越境ECの始め方ステップ5つ

越境ECをスモールスタートで始める場合の、基本的な5ステップを解説します。大規模な投資を行う前に、まずこのステップに沿って準備を整えることをおすすめします。

ステップ1:ターゲット市場と販売商品の選定

最初に行うべきは「どの市場に」「何を売るか」の決定です。全ての市場を同時に狙うのではなく、自社商材との親和性が最も高い市場を1〜2カ国に絞ってスタートするのが基本です。

商品の選定では、「国内で実績がある主力商品」を起点にするのが最もリスクが低い方法です。国内で売れている商品は品質・訴求・価格設計が一定水準にあるため、海外向けに転用しやすいといえます。また、越境ECでは「日本らしさ」を感じさせる商材が特に強みになるため、その観点での商材選定も重要です。

ステップ2:プラットフォーム選定と出店準備

ターゲット市場と商材が決まったら、販売するプラットフォームを選定します。初めての越境ECであれば、集客基盤が整っているモール型(Amazon Globalなど)からスタートするのが一般的です。

出店準備では、アカウント登録・ブランド登録・出品ルールの把握が必要です。中国市場向けにTmall Globalを活用する場合は、申請から審査・ストアオープンまで数ヶ月かかることもあるため、早めの準備が肝心です。

ステップ3:商品ページ・多言語対応の整備

商品ページは越境ECの成否を分ける最重要要素の一つです。単純な機械翻訳ではなく、ターゲット市場の消費者心理に合わせた訴求設計が必要です。特に以下の点を重点的に整備してください。

・商品タイトル・キーワードの現地語最適化
・高品質な商品画像(現地消費者が使っているシーンのイメージ)
・商品説明文のローカライズ(翻訳ではなく翻案)
・サイズ・成分・原産地などの現地表示義務対応
・購入者レビューの早期獲得施策

ステップ4:物流・配送体制の構築

国際配送の方法を確定させます。初期は国内から直接発送する「直送モデル」で始め、売上が安定してきたら現地倉庫(海外フルフィルメント)の活用を検討するのが現実的な進め方です。

国際配送では追跡番号付きのサービスを必ず使用し、発送から配達完了までの証跡を保存しておくことがトラブル対策として重要です。EMS(国際スピード郵便)・DHL・FedExなど、配送先国への実績がある業者を選びましょう。

ステップ5:広告・集客と改善のPDCA

出店・出品が完了したら、広告・集客施策を開始します。モール型の場合、プラットフォーム内の広告(Amazon SP広告・TmallのキーワードPP広告など)を活用して初速を作ることが重要です。

自社EC型の場合は、Meta広告やGoogle広告を活用した海外向けターゲティング広告の設計が必要です。データを蓄積しながらCVR・ROAS・LTVなどのKPIを追い、月次でPDCAを回していく体制を整えましょう。

越境ECの成功ポイント3つ

①現地ユーザーに刺さる訴求設計(翻訳でなく”翻案”)

越境ECで成功している企業の共通点は、「翻訳」ではなく「翻案」をしている点です。日本語の商品ページをそのまま英語・中国語に訳しただけでは、現地消費者の購買心理に響きません。

現地で人気のKOL・インフルエンサーがどんな言葉で商品を紹介しているか、競合商品のレビューでどんな不満が書かれているか、モール内の検索キーワードにどんな言葉が使われているか——これらを徹底的に調査した上で商品ページを設計することが、越境ECの売上を大きく左右します。弊社がご支援した海外ブランドの日本ECモール出店(EXOMERE様など)でも、単なる翻訳ではなく日本市場向けの訴求再設計が成果の鍵でした。

②国内EC運用との両立体制の設計

日本のEC事業者が越境ECに参入する場合、既存の国内EC運営と並行して進めることになります。ここで多くの事業者が陥るのが「リソース不足による両方の品質低下」です。

越境EC参入前に、国内EC運営の作業を一定程度省力化・外部化することが重要です。国内ECの運営代行や広告運用代行を活用して社内リソースを確保した上で、越境ECにリソースを投入するという段階的なアプローチが現実的です。弊社の支援先でも、「国内EC運営を外部委託したことで越境ECへの注力が可能になった」というケースが複数あります。

③JETROなどの公的支援の活用

越境EC参入を検討している事業者が見落としがちなのが、公的支援機関の存在です。JETROは越境EC参入に関する無料相談窓口を設けており、市場調査レポート・法規制情報・現地パートナー紹介など、幅広いサポートを提供しています。

中小企業庁や各都道府県の商工会議所でも、越境EC関連の補助金・助成金の案内を行っているケースがあります。民間サービスとの組み合わせで、初期投資を抑えながら越境ECへの参入を実現している事業者も少なくありません。まずはJETROの公式サイトや最寄りの相談窓口に問い合わせることをおすすめします。

荻野勇斗 一言コメント Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗 500店舗以上のEC支援実績
越境ECで本当に成果が出るかどうかは、「国内EC運営をきちんと回せているか」に強く依存しています。国内の商品ページ・レビュー施策・広告設計が整っていない段階で越境ECに手を広げると、どちらも中途半端になるケースをよく見てきました。弊社では「まず国内ECを最適化してから、そのノウハウと実績を越境ECに転用する」という順序を推奨しています。海外展開は目標として素晴らしいですが、足元の国内EC基盤を固めることが、越境EC成功の最短ルートです。

まとめ

本記事では、越境ECの基本的な定義から2026年の最新市場動向、メリット・リスク、参入市場の選び方、プラットフォーム比較、始め方のステップ、成功ポイントまでを解説しました。

改めて重要なポイントを整理します。

・越境ECは「モール型」「自社EC型」「ハイブリッド型」の3モデルがあり、商材特性とリソースに応じて選ぶことが重要
・2026年はインバウンドEC需要の増加・デミニミスルール廃止・AI翻訳普及という3つのトレンドが日本企業にとって追い風
・市場選定は「自社商材との相性」「法規制の難易度」「物流の現実性」を軸に1〜2カ国に絞ってスタートするのが基本
・商品ページは「翻訳」ではなく「翻案」の視点で現地消費者の購買心理に合わせた設計が成否を分ける
・国内EC運営の省力化・外部化が、越境ECへのリソース確保に不可欠

越境ECは決してハードルが低い取り組みではありませんが、正しい順序で準備を進めることで、国内市場の限界を超えた新しい成長の柱を作ることができます。まずは自社の商材・リソース・目標に合った「最初の一歩」を設計してみてください。本記事がその検討の一助となれば幸いです。

EC事業の拡大・海外展開、こんなお悩みありませんか?

国内ECの売上が頭打ちで、新しい販路として越境ECを検討しているが何から始めればいいかわからない
国内ECモールの運営が手いっぱいで、越境ECに割くリソースが社内に残っていない
どの国・どのプラットフォームに参入すれば自社商材が売れるのか判断基準がない
国内ECも海外ECも場当たり的に動いていて、全体的な戦略・PDCAが回せていない

Finnerの支援実績

弊社では海外コスメブランド「EXOMERE(エクソミア)」の日本ECモール(楽天・Amazon・Qoo10)への出店代行を、商品ページ制作・薬事チェック・販促支援まで一気通貫でご支援しました。また、国内ECの運営効率化によって越境EC展開のリソースを生み出した事例も複数ございます。まずはお気軽にご相談ください。

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Written by
荻野 勇斗
Finner株式会社 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒業。楽天グループ株式会社、株式会社セールスフォース・ジャパン、ECコンサルティング会社を経て現職。

楽天ではSOY受賞店舗を含む500店舗以上のEC事業者を担当し、売上拡大を支援。カテゴリー内で3度の表彰に加え、楽天賞も受賞。

その後、開業2期目のECコンサルスタートアップに参画し、責任者としてすべてのECモール・自社ECを横断した戦略設計から運用まで一気通貫の支援を推進。

これらの経験を経てFinner株式会社を設立。EC運営の実務とCRMの知見をかけ合わせた「商品・顧客起点のマーケティング設計」が強み。

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