弊社は楽天市場などのECモールを中心として、売上向上に向けたサービスを展開しています。
今回は日々の業務で培ったノウハウから、本記事では楽天市場の置き配サービスの概要と出店者側の設定方法・活用ポイントについて徹底的に解説をしていきます。
楽天市場での置き配について「自分の店舗でも対応したほうがいいのか?」「RMSでの設定方法がよくわからない」「置き配に対応すると売上に影響はあるのか?」といった悩みを抱えている店舗様も少なくないのではないでしょうか?
2025年12月に楽天市場で主要配送キャリア対応の置き配機能が正式リリースされ、出店者側の対応が急務となっています。本記事では、置き配の基本から店舗側の設定手順、メリット・注意点まで網羅的に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
置き配とは、購入者が事前に指定した場所(玄関前、宅配ボックス、車庫、物置など)に、配達員が非対面で荷物を届けるサービスです。受取人が不在でも荷物を受け取れるため、再配達の手間がなくなり、購入者と配送業者の双方にメリットがあります。
楽天市場における置き配では、以下のような場所を指定することができます。
置き配の対象となる注文にはいくつかの条件があります。通常購入であること、お届け先が日本国内の単一送付先であること、対応する配送キャリア(日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便)で配送されることが基本条件です。また、注文金額にも上限があり、ヤマト運輸の場合は15万円、日本郵便・佐川急便の場合は30万円までとなっています。
なお、代金引換で支払う場合は置き配を利用できません。クレジットカード決済や銀行振込などの事前決済が前提となる点は、出店者として購入者への案内時に押さえておきましょう。
楽天市場の置き配対応は、段階的に拡充されてきた経緯があります。
かつて楽天市場では、独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」を通じて置き配を提供していました。しかし、2021年5月にRakuten EXPRESSが終了したことで、楽天市場内での統一的な置き配サービスは一時的に利用できなくなりました。
その後、楽天ブックスでは日本郵便の「指定場所ダイレクト」を活用した置き配が先行的に導入され、置き配保険も付帯されるようになりました。
そして2025年12月16日、楽天市場で主要配送キャリア(日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便)に対応した置き配機能が正式リリースされました。これにより、購入者は注文時のお買い物かご画面で直接置き配を指定できるようになっています。出店者側は2025年11月13日からR-Storefrontで置き配設定が可能となっており、現在は本格的な運用フェーズに入っています。
楽天市場の置き配に対応している主要配送キャリアは日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便の3社です。各キャリアの対応状況をまとめると以下のとおりです。
| 項目 | 日本郵便 | ヤマト運輸 | 佐川急便 |
|---|---|---|---|
| 置き配サービス名 | 指定場所ダイレクト | EAZY | 指定場所配送サービス |
| 注文金額上限 | 30万円 | 15万円 | 30万円 |
| 配達完了写真 | なし | あり(メールで送付) | あり(スマートクラブ会員のみ) |
| 注文後の変更 | 購入履歴から変更可 | 購入履歴・お届け予定メールから変更可 | 配送会社へ問い合わせ |
| 店舗側の必要手続き | 置き配利用申込 | EAZY契約+置き配利用申込 | 個別契約+置き配利用申込 |
各キャリアで対応内容が異なるため、自店舗の契約キャリアに合わせた準備が必要です。特にヤマト運輸の場合は「EAZY」の専用契約が必要となるケースがあるため、早めの確認をおすすめします。
※関連記事:【2026最新】楽天のRMSとは?活用マニュアルや売上の確認方法を解説!
配送キャリアの契約確認や置き配の設定、自社だけで対応しきれていますか?
Finnerでは楽天市場の店舗運営を一気通貫でご支援しています。弊社がご支援したアウトドア用品ブランド様では、ユーザー体験の改善を起点とした施策によりCVRが1.4%から2.9%(約2.1倍)に改善された実績がございます。
店舗無料分析に申し込む(無料) →置き配への対応は、出店者にとってもさまざまなメリットがあります。ここでは出店者視点で特に重要な5つのメリットを解説していきます。
置き配の最大のメリットは、再配達の大幅な削減です。国土交通省の調査によると、宅配便の再配達率は約10〜12%とされており、10回に1回以上が再配達になっている計算です。再配達が発生すると配送業者の負担が増加し、最終的には配送コストの上昇として出店者にも影響が及びます。
置き配に対応することで、購入者が不在でも確実に荷物を届けられるようになり、再配達に伴うコストや配送業者との調整工数を削減できます。
置き配を利用できることで、購入者は配達時間に合わせて在宅する必要がなくなります。これは特に共働き世帯や単身世帯が多い現代において、非常に大きな利便性です。
受取の柔軟性が向上すると、「荷物の受取が面倒だから他のモールで買おう」という離脱を防ぎ、リピート購入にもつながります。弊社が500店舗以上の楽天市場運営をご支援してきた中でも、配送の利便性改善は顧客満足度やレビュー評価に直結しやすい施策のひとつです。
楽天市場では2024年7月から「配送品質向上制度」が導入されており、配送品質の基準を満たした商品に「最強翌日配送ラベル」が付与されます。このラベルは検索順位を決める要素の一つに含まれる予定であり、取得すると商品がユーザーの目に触れやすくなります。
置き配への対応は配送品質向上制度と直接的には別の仕組みですが、ユーザーの配送利便性を高めるという同じ方向性にあり、両方に対応することで「配送に強い店舗」としてのポジションを確立できます。
※関連記事:【2026最新】楽天市場の配送品質向上制度とは?配送認定ラベルの取得方法について解説!
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限規制が適用され、いわゆる「物流2024年問題」が本格化しています。ドライバー不足が進む中で、再配達の負荷を減らすことは出店者としても社会的な責任を果たすことにつながります。
政府も2024年10月から「置き配ポイント」事業を開始しており、置き配を選択した消費者にポイントを付与する取り組みを推進しています。楽天市場も参加事業者のひとつであり、今後も置き配の普及は加速していく見込みです。
ECで商品を購入する際、「受け取れるかどうか」が購入判断に影響するケースは少なくありません。特に日中不在がちな方にとっては、受取の手間が購入のハードルとなり、カゴ落ちの原因にもなりえます。
置き配に対応することで、受取に対する心理的なハードルが下がり、CVR(転換率)の向上が期待できます。
弊社がご支援したアウトドア用品ブランド様では、ユーザー体験を起点とした改善施策(商品ページ構成の見直し・利用シーン訴求の強化等)を実施した結果、主力商品のCVRが1.4%から2.9%(約2.1倍)に改善されました(※社名非公開)。置き配対応そのものは配送面の改善ですが、「購入者がストレスなく商品を手に入れられる体験づくり」という観点では同じ方向の施策といえます。
一言コメント
Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗
元楽天ECC・500店舗以上のEC支援実績
ここからは、出店者がRMSで置き配設定を行う具体的な手順を解説していきます。設定は大きく4つのステップで完了します。
まず最初に行うのは、自店舗が契約している配送キャリアへの置き配利用申込です。楽天市場の置き配機能を利用するには、各キャリアとの間で置き配に関する契約・申込が完了している必要があります。
日本郵便の場合は置き配利用の申込のみで対応可能ですが、ヤマト運輸の場合は「EAZY」の契約が必要になるケースがあります。佐川急便の場合も個別の契約手続きが求められるため、利用しているキャリアの営業担当に早めに確認することをおすすめします。
配送キャリアとの手続きが完了したら、次はRMSのR-Storefrontから店舗側の置き配設定を行います。2025年11月13日からR-Storefrontで設定が可能になっており、店舗単位で「置き配を受け付ける/受け付けない」を切り替えることができます。
なお、置き配の利用申請を行っていない店舗は、自動的に「置き配指定を受け付けない」状態に設定されます。つまり、何も設定しなければ購入者のお買い物かごに置き配オプションが表示されないため、機会損失が発生する可能性があります。
店舗全体の設定に加えて、商品単位でも置き配対応の設定が可能です。RMSの商品登録・編集画面、またはCSV登録(normal-item.csv)を使って、各商品が置き配に対応しているかどうかを登録できます。
例えば、高額商品や壊れやすい商品は置き配対象外にし、通常の日用品やリピート商品は置き配対応にするといった商品特性に応じた柔軟な設定が可能です。
設定が完了したら、テスト注文を行い実際のフローを確認しましょう。お買い物かごの「注文内容の確認」画面に置き配指定の選択肢が表示されるか、受注データに置き配情報が正しく反映されるかを確認します。
また、受注管理システム(OMS)や一元管理ツールを利用している場合は、置き配に関するデータが正しく連携されるかも併せて確認が必要です。R-Backoffice上での置き配注文の識別方法や、配送伝票への反映についても事前にテストしておくことをおすすめします。
※関連記事:楽天市場の最強翌日配送とは?基礎概要からラベルの獲得条件まで徹底解説
各配送キャリアの置き配サービスについて、出店者が知っておくべきポイントをさらに詳しく解説していきます。
日本郵便の「指定場所ダイレクト」は、対象ECサービスでの注文時にユーザーが受取場所を指定できるサービスです。楽天市場との連携が最も進んでおり、出店者にとって導入ハードルが最も低いキャリアといえます。
ただし、楽天倉庫(RSL)から出荷される1万円以上の商品は置き配を指定できないという制限があります。また、日本郵便の場合は配達完了の写真通知がないため、トラブル時の証跡が残りにくい点には注意が必要です。
ヤマト運輸の「EAZY」は、荷物が届く直前まで受取方法を変更できる柔軟性の高いサービスです。対面・玄関前・宅配ボックスなど複数の受取方法から選択でき、配達完了後にはメールで配達場所の写真が送られます。
EAZYを利用するには、ヤマト運輸との間でEAZY契約が必要です。すでにヤマト運輸と取引がある場合でも、EAZY対応がされていないケースがあるため確認が必要です。また、商品によってはクロネコメンバーズの登録が購入者側に必要になる場合もあります。
佐川急便の「指定場所配送サービス」は、個別契約を結んでいる荷主から出荷される荷物が対象となります。自宅敷地内の好きな場所に置き配を指定でき、配達状態の写真撮影も行われます。
佐川急便の場合、注文後の置き配指定変更は直接配送会社へ問い合わせる必要があり、日本郵便やヤマト運輸と比べると購入者側のUI(操作性)はやや手間がかかります。「スマートクラブ」に登録しているユーザーにはメールで配達完了写真が送付されます。
一言コメント
Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗
元楽天ECC・500店舗以上のEC支援実績
置き配は利便性が高い一方で、出店者として事前に把握しておくべき注意点もあります。ここでは5つの重要な注意点を解説していきましょう。
置き配の最大のリスクは、荷物の盗難や紛失です。玄関前など人目につく場所に荷物を置く場合、第三者に持ち去られる可能性があります。
楽天ブックスでは日本郵便の「置き配保険」が自動付帯されていますが、楽天市場の各ショップではこの保険は適用されません。万が一盗難が発生した場合の対応フローを、事前にカスタマーサポート体制の中に組み込んでおくことが重要です。
高額商品の場合、盗難リスクがユーザー・店舗双方にとって大きくなります。前述のとおり各キャリアで金額上限(ヤマト運輸15万円、日本郵便・佐川急便30万円)が設定されていますが、店舗独自の判断としてより低い金額から対象外にすることも検討しましょう。
RMSの商品登録画面で商品単位の設定ができるため、高額商品や精密機器など、盗難・破損リスクの高い商品は個別に置き配対象外としておくのが安全です。
置き配は非対面での配達となるため、代金引換(代引き)との併用はできません。購入者が置き配を指定した後に決済方法を代金引換に変更した場合、置き配指定は自動的に解除されます。
代金引換の利用率が高い店舗では、置き配の導入による影響を事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。
置き配に対応していることを商品ページや店舗情報に明記することで、購入者の安心感が高まります。「置き配対応」であることが購入の後押しになるケースもあるため、配送方法の説明欄に対応状況を記載しておきましょう。
一方で、「どの商品が置き配対応か」「どのキャリアで配送される場合に置き配可能か」まで明示できると、問い合わせの削減にもつながります。
置き配に関するクレームで最も多いのは、「指定場所に荷物が見つからない」「荷物が濡れていた」「勝手に置き配された」の3パターンです。これらに対するカスタマーサポートの対応フローを事前に整備しておきましょう。
具体的には、配送会社への確認手順、購入者へのヒアリング項目、返金・再送の判断基準などをマニュアル化しておくことで、トラブル発生時にも迅速に対応できます。
また、弊社がご支援したインテリア雑貨メーカー様では、顧客対応を含めたストア全体のユーザー体験改善に取り組んだ結果、回遊率が32%から51%に向上し、客単価も1.6倍に改善されました(※社名非公開)。配送トラブルへの丁寧な対応は、店舗の信頼性を高め、結果的に売上にもプラスの影響をもたらします。
一言コメント
Finner株式会社 代表取締役 荻野勇斗
元楽天ECC・500店舗以上のEC支援実績
楽天市場では配送品質の改善にさまざまな施策が進行しています。ここでは、置き配と配送品質向上制度の関係について解説します。
楽天市場の配送品質向上制度は、配送品質の基準を満たした商品に「最強翌日配送ラベル」を付与する制度です。主な認定条件は以下のとおりです。
これらの基準を満たし最強翌日配送ラベルを取得した商品は、検索結果で目立つ位置に表示されやすくなり、クリック率や購入率の向上が期待できます。
置き配対応そのものが楽天SEOの直接的なランキング要因になるわけではありませんが、間接的にプラスの影響をもたらす要素は複数あります。
まず、置き配に対応することで再配達が減り、納期遵守率が向上しやすくなります。これは配送品質向上制度の店舗基準に好影響を与えます。また、購入者が受取方法を自由に選べるようになることで、カゴ落ちの防止やリピート率の向上を通じて売上に寄与します。
楽天市場は「配送の利便性」をユーザーの購買体験向上の柱に据えており、今後も置き配を含めた配送施策への対応度が検索順位や露出に影響する可能性は十分にあると考えられます。
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本記事では、楽天市場の置き配サービスの概要から、出店者側の設定方法、メリット、注意点まで網羅的に解説してきました。
2025年12月に主要配送キャリア対応の置き配機能が正式リリースされ、楽天市場のEC運営において置き配への対応は「やるべきかどうか」ではなく「いつやるか」というフェーズに入っています。
最後に、出店者が今すぐ取るべきアクションをまとめます。
配送の利便性向上は、顧客満足度の改善・レビュー評価の向上・CVRの改善と、さまざまな側面で売上にプラスの効果をもたらします。まだ対応がお済みでない店舗様は、ぜひ早めの準備をおすすめします。
Finnerでは楽天市場の店舗運営を、戦略設計から施策実行の代行まで一気通貫でご支援しています。置き配設定を含めた配送周りの整備や、売上向上に向けた施策のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
楽天市場の置き配対応や配送品質の改善、こんなお悩みありませんか?
Finnerの支援実績
ユーザー体験を起点としたストア全体の改善をご支援した結果、CVRが1.4%→2.9%(約2.1倍)に改善。配送品質から商品ページ改善まで一気通貫でサポートしています。
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