弊社は楽天市場などのECモールを中心として、売上向上に向けたサービスを展開しています。
今回は楽天市場について「儲からないと言われている理由」と「売上拡大に失敗している店鋪の改善するべき共通の特徴」について元楽天社員の私が500店鋪以上のご支援に関わらせていただいた経験を元に徹底解説していきます。
楽天市場は毎月・毎年の出店店舗も非常に多いですが、その分、儲からず退店してしまっている店鋪も一定数いらっしゃるのも間違いありません。
そして私の経験からも退店してしまっている店鋪にはいくつかの共通する特徴があるため、楽天へ出店して後悔しないためにもポイントも含めてご紹介していきます。
また、Finnerでは成果が実証されたノウハウ・経験にもとづいて、EC戦略立案から施策実行の代行までご支援しています。EC領域でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
結論、予算設計や運用体制、ノウハウ次第で楽天市場は儲けられるECプラットフォームだと考えています。
実際に年間の国内流通総額は5.7兆円を超えており、年々増加傾向にもあります。また楽天市場のインターネット通販全体でのシェアは29%とも言われておりますので、Amazonと並んで圧倒的にシェアの高いECモールです。
売上アップという観点で考えると、店鋪が儲けるために楽天市場では専任のECコンサルタントが付いてくれるほか、楽天大学という学習プラットフォームの用意もあります。またその他で言うと、様々なノウハウやナレッジをECコンサルティング会社がコラム形式でインターネット上に公開しています。
ただし、予算設定や運用体制を明確にしていないことや、そもそものノウハウがなく片手間で運営をしていると儲からず、損をしてしまう可能性があることも事実です。
そのため最近の出店料変更もあり、さらに「楽天市場への出店は儲からない」という声を弊社でも耳にするようになりました。
では実際、楽天市場からの退店率・撤退率はどの程度なのでしょうか?
2023年年末時点の情報ですが、弊社独自データから楽天市場には5万3000店鋪を超える出店がある一方で、弊社が持つ別のデータからの出店数の伸び率を考えると数千店鋪は毎年楽天市場を退店してしまっている計算になります。
このデータからも、うまく儲けることができなかった店鋪様が一定数いらっしゃるのも事実かとは考えています。
また、様々な企業が17年以上楽天市場を運営している店鋪の退店率は7割を超えているというデータを出していますが、適切な数値ではないかと思われます。
理由としては、そもそも17年程度同じ領域で事業を行っていない企業や別の理由で倒産する企業なども多く、楽天市場に関係なく事業そのものについて17年継続できる割合が5割程度であることを踏まえると、長期的な退店率はあまり気にされないでよいかと弊社では考えております。
1年以内の退店率などを聞ける範囲で、出店時に楽天市場へ聞いてみるなどのアクションを取ることをおすすめします。
また弊社独自の調査などは実は多岐にわたっています。より詳細なデータなどが気になる方は「こちら」からぜひ一度出店に関してのご相談をください。
弊社が出店時のご支援をする、しない関係なくカジュアルな相談に乗らせていただきます。
ではここからは、楽天の出店が儲からないと言われている理由を見ていきましょう。楽天市場の出店が儲からないと言われている理由は主に下記の5つです。
まずは出店料と販売手数料です。2024年6月に出店料の変更があり、売上が上がっていない店鋪に関しては利益率などが低下してしまいました。
具体的にな金額は下記です。
種別 | がんばれプラン | スタンダードプラン | メガショッププラン |
---|---|---|---|
月額価格 | 19,500円/月 ↓変更後 25,000円/月 | 50,000円/月 ↓変更後 65,000円/月 | 100,000円/月 ↓変更後 130,000円/月 |
販売手数料 ※システム利用料 | PC:3.5%~6.5% SP:4.0%~7.0% | PC:2.0%~4.0%、 SP:2.5%~4.5% | PC:2.0%~4.0% SP:2.5%~4.5% |
支払いサイクル | 年間一括 | 半年に1回の2回払い | 半年に1回の2回払い |
またその他にすべてのプラン共通で下記の料金がかかってきます。
種別 | 価格(税別) |
---|---|
初期登録費用 | 60,000円 |
楽天ポイント | 楽天会員の購入代金(税抜) ×付与率(通常1.0%) |
楽天スーパーアフィリエイト | アフィリエイト経由売上の 2.6~5.2%(※1) |
モールにおける取引の安全性・利便性向上 のためのシステム利用料 | 月間売上高の0.1% |
R-Messe(※2) | 月額固定費:3,000円~ |
楽天ペイ利用料 | 月間決済高の2.5%~3.5% |
ちなみに「売上が上がっていない(儲かっていない)」と記載したのは理由があり、ただ値上げしたというわけではなくたとえば商品登録の上限ががんばれプランでは5,000点から10,000点に上がっていたり、登録できる画像容量も増えています。
そのため、そもそもの商品数を増やしたり、画像の量を増やして楽天市場ユーザーに自社商品のメリットを訴求したりと売上が上がっている(儲かっている)店鋪からすると楽天市場に投資できる幅が増えたのも事実です。
ただ一方で売上向上に苦戦している店鋪からすると、シンプルに出店料があがったことを除いても、そもそも他のECモールと比較すると楽天市場の出店料は高い傾向にあります。
※Amazonは出店料が大口出店でも4,900円/月
ここからも「売っても売っても儲からない」という事態に陥ってしまうわけです。
2つ目の楽天市場が儲からないと言われている理由は、競合の多さから来る「価格競争」です。
先程もご紹介したように楽天市場には5万3000店鋪が出店しています。食品や美容ジャンルなどについては特に出店も多く=競合が多い状態です。
また楽天では楽天市場内に同じ商品コードを持つ商品の価格や在庫、レビューなどを比較できる「商品価格ナビ」という機能が導入されてるため、この機能によって最も安く商品を販売している(かつレビューもよく安心できる店鋪)を簡単に見つけることができます。
PC上では下記のようにピンク枠をクリックすると表示されますので、一度試していただくのがわかりやすいかと思います。
もちろん楽天市場ユーザー目線から見ると非常に良い機能ですが、出店者目線から見ると販売数を確保するために自店舗の商品価格を下げるという選択をせざるを得なくなる可能性もあります。
楽天市場が儲からないと言われている理由の3つ目は「差別化がしづらいこと」です。
楽天市場内で競合に打ち勝つためには差別化は欠かせませんが、楽天市場では戦略検討の幅が広く、優先順位を付けて差別化戦略を打っていかなければ大きな損(儲からない店鋪状態)に直結します。
最新の楽天市場ユーザーニーズを捉えて運用を行っていきましょう。
4つ目の楽天市場が儲からないと言われている理由は「販促費」です。これはどの様なECモールでも共通ですが、基本的に販促費は自社の負担になります。
※一部楽天負担・Qoo10負担などはあるかと思います。
楽天市場では主な販促費として広告費・ポイント・クーポン・値引きに大別されますが、それぞれが重なってしまうと大きな負担になり、儲からない店鋪状態に陥ってしまいます。
ただし、逆にポイントやクーポンに販促費をかけない場合、いつまで経っても売上が伸び切らないという負のスパイラルになってしまう可能性が高いです。
5つ目の楽天市場が儲からないと言われている理由は「独自のルールの多さ」から来る、ノウハウ蓄積までに時間がかかってしまう点です。
楽天市場では独自のルールが非常に多く、定期的に改正がされます。直近ではSKUプロジェクトという楽天の仕様全体が変わるルール変更もあり、多くの店鋪が仕様変更の理解に時間がかかり、さらに仕様変更の実施にも多くの時間を取られていました。
また店鋪運営ルールに目を向けると、非常に細かいルールが設定されているため、いつの間にか運営ルール違反を犯しているという事態もよく目にするケースです。
ここからも今後も楽天市場内でのルール変更があることが容易に想像できますので、前のルールを理解したら、次のルールができるなどで理解に時間がかかってしまうことも楽天市場が儲からないと言われる理由になっています。
ここまでは楽天市場が儲からないと言われる理由についてご紹介をしてきました。
ではここからは楽天市場に出店しても儲からない店鋪の特徴についてご紹介をします。冒頭にもお伝えした通り、私が過去に500店鋪以上のご支援をしてきた中で儲からない店鋪に共通している改善するべき特徴はいくつかあります。
具体的には下記が楽天に出店しても儲からない店鋪の改善するべき共通点になります。
もちろんすべての店鋪がそういうわけではありません。例えば自社のオリジナル商品で元より認知があり、楽天に出店したケースなどはそうだと思います。
まずは出店前・出店後を含めて、競合商品や競合店鋪に関する調査や分析を行っていない、もしくは多少しか行っていないと売上に伸び悩んでいる店鋪様が多い印象です。
事前に調査しておく項目は価格はもちろんのこと、楽天市場であればポイントは何倍で行ってるのか?常時なのか?お買い物マラソンのとき限定か?楽天スーパーSALEのみなのか?、クーポンはいくらで配布しているのか?送料設定は無料か?納期は?などいくらでも調査できる観点はあります。
そのほか、共通のバナーは何を設置しているのかということも調査する必要があるかと思います。バナーからは直接的にその店鋪の施策が見えてきます。
たとえば下記のようなバナーでLINEのお友だち登録をクーポンで訴求しているのか?もしくはレビューでクーポン配布しているのか?など、さまざまな施策が確認できるのでおすすめです。基本的にはPPT(徹底的にパクる)で問題ありません。
そして2つ目は「売上につなげることができる入口商品があるか」ということは楽天市場で売上アップにつなげるために鍵になります。
楽天市場で売上にアップに伸び悩んでいる=儲からない店鋪様の多くが、入口商品の設定や育成ができていないケースがほとんどです。
店鋪の入口となる商品をしっかりと育成していくことで、店鋪の知名度を上げてリピーター増加につなげることもできます。ぜひ需要の高い商品を育成して、売上アップに繋げていきましょう。
続いては「商品の利益率が圧倒的に低いこと」です。
薄利多売の商品については、出店初期は楽天市場での売上がマイナスになることも多々あると思います。もちろん一定の売上が上がってくれば問題ないケースも多いですが、楽天の配送代行(RSL)を使っているケースなどについては売れても手数料でマイナスになるケースもあるので、注意しましょう。
しっかりと楽天市場の手数料を考慮に入れた価格設定が必要です。楽天市場で商品を販売する際はなるべく仕入れ値の低い商品で出店することをおすすめします。
そして4つ目は「広告を最初から全く活用しないこと」です。広告を全く活用しない場合、大きな売上が期待できない場合がほとんどです。
楽天市場において売上を上げていくには広告活用が必須と言っても過言ではありません。広告活用が必要な大きな理由として、最も大きいのが楽天の検索順位と売上の関係性です。
実は楽天市場の検索順位の変動は非常に大きく、主に直近2週間程度の売上が大きく関わっていると言われています。そのため、広告活用で出店初期に売上を作ることで、相対的に検索時のランキング(SEO順位)に大きな影響があります。
一度売上を大きく作って、検索順位が上がるとその後も1ヶ月程度は順位をキープすることも多く、楽天市場販売の正のスパイラルを構築することができます。
5つ目は楽天スーパーSALEの対策を行っていないことです。
楽天市場の運営では楽天スーパーSALEを中心に売上を考える必要があります。先程もお伝えした通り、楽天市場のSEOは直接的に直近の売上と関係があります。
そのため、最も楽天のイベントの中で売上が上がる楽天スーパーSALEに対策を行っていない場合、いくら平常時に施策を行ったとしても競合に売上を取られてしまう可能性が高く、施策実施が非常に重要になります。
また同様に競合は必ずと言っていいほど楽天スーパーSALEに手を打ってきます。そのタイミングで実施しないことが直接的な機会損失につながっていることが多いです。
最後は分析業務を行っていないことです。一例ですが、弊社が行っている楽天市場分析の例を下記にご紹介します。しっかりとPDACを回して売上を作っていくうえで
弊社では楽天市場に関して無料分析も行わせていただいておりますので、もしご興味があればお申し込みください⇒お申し込みはこちら
X(旧:Twitter)からいくつか出店に関する口コミを拾ってきました。
楽天出店審査通過して楽天の出店確定!最初はやる事多くてどうなることかと思ってたけど、担当が丁寧に教えてくれて思っていたより早く出来た😆
担当もこんなに早く出店審査通過される方も珍しくいって驚いてました😁
スタートラインに立ったので、売上伸ばせるように精進します😌
(引用:https://x.com/DAI37139293/status/1778754584741392843)
出店店舗の人と交流できる場所が楽天大学か。そう言う人同士が集まることで輪が広がってプラスになるわけね。
(引用:https://x.com/dsmpG44yCS3083/status/1802888888442351761)
出店に関する評判にそこまで悪いものはなかったですが、最近では楽天市場に出店している店鋪へ楽天モバイルが5回線無料で使えるなどのキャンペーンを行っており、賛否がわかれているようです。
弊社は楽天市場のコンサルティングや運営代行を提供しています。
楽天市場は正しい運用ノウハウや方法で店舗運営を行うことで、売上・利益の上がる店鋪にすることも十分可能です。
例えば弊社ではご支援先によって、下記のような損益計算書(※簡易版・サンプル)を作成しており、利益の残せる店鋪構造になるようなご支援をしております。
もし利益の残せる=儲かる店鋪構築にご興味があれば、ぜひ一度お問い合わせくださいませ。
本記事では「楽天への出店は儲からないといわれる理由と失敗の特徴」について解説しました。
記事を最後まで見てくださり、誠にありがとうございました。この記事が皆様にとって役に立っていますと幸いです。
弊社では、楽天市場の運用はもちろんのこと、EC領域に関するほとんどのことを相談可能ですので一度ぜひご連絡ください。
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