弊社はECを中心として、売上向上に向けたサービスを展開しています。
今回は日々の業務で培ったノウハウから、Amazonのプロモーション割引について徹底的に解説をしていきます。
Amazonで売上を伸ばすには、広告だけでなく“割引施策”の活用がカギとなります。その中でも「プロモーション割引」は、出品者自身が自由に設計できる強力な販促ツールです。
「まとめ買いで割引」「1点購入で1点無料」「カート内で自動割引」など、目的に応じて様々な仕組みが用意されており、うまく活用すれば新規顧客の獲得やリピート促進、在庫処分にも効果的です。
この記事では、Amazonのプロモーション割引について初心者でも分かるように、仕組みや手順など徹底的に解説していきますので、施策の一つとして活用できるようにしていきましょう!
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Amazonでは、商品ページ上に「割引」が表示できる販促機能として「プロモーション割引」が用意されています。
プロモーション割引には主に以下の2種類があります。
これらはどちらも商品ページ上で視認性が高く、購入意欲をあと一押しできる機能です。
加えてプロモーション割引を使用する上では「運用ルール」に関しての把握も重要です。
プロモーション割引には、以下の共通ルールがあります。
また、プロモーションコード(クーポンコード)を発行すれば、SNSやメルマガ経由など特定のユーザーにだけ割引を提供するキャンペーンも設計できます。このように販促の柔軟性が高い割に、設定は比較的シンプルなため、広告よりもまず手軽に施策行いたという時にもおすすめです。
Amazonのプロモーション割引は、誰でもすぐに使えるわけではありません。利用するには、次の2つの条件を満たす必要があります。
以下ではそれぞれ、設定方法や注意点を詳しく解説します。
プロモーション割引は大口出品プランを利用しているアカウントのみ対象です。
小口出品プラン(手数料が売上ごとにかかるプラン)では、プロモーション割引の設定自体ができません。
まだ大口出品に切り替えていない場合は、Amazonセラーセントラルから以下の手順で変更が可能です。
もう一つの条件は、出品者評価(パフォーマンス評価)が2.5以上であることです。これは、Amazonが購入者からの信頼を守るために設けている基準です。
ただし、出店して間もないアカウントで評価がまだ付いていない場合に限り、例外的にプロモーションが利用できることもあります。
評価が2.5を下回っている場合、まずはこれらのオペレーションを見直すことが重要です。割引施策を始めるより、土台を整えることが先決です。
このように、プロモーション割引は“設定できる店舗”に条件がありますが、いずれもAmazonの基本運用をしていれば自然にクリアできる項目です。
「使えない」と諦める前に、今の運用状態をチェックしてみましょう。
Amazonのプロモーション割引は、ただ価格を下げるだけの施策ではありません。適切に設計すれば、売上や利益改善に直結する複数の効果を生み出します。
ここでは、具体的な5つのメリットについて解説します。
Amazonでは、競合が多く価格競争が激しいため、単純に値上げして客単価を上げるのは難しいのが現実です。
そこで活躍するのが「まとめ買い割引」などのプロモーション設定です。
たとえば「3点以上で5%オフ」「5,000円以上の購入で300円引き」といった設計にすれば、お得感を演出しながら自然に客単価を引き上げることができます。
EC売上の基本である「アクセス数 × 転換率 × 客単価」のうち、最も設計で改善しやすいのがこの客単価です。
プロモーションによって競合よりも実質的な販売価格を下げられる場合、カートボックス(商品詳細ページの「カートに入れる」ボタンの領域)を獲得できる可能性が高まります。
カートボックスは購入率に直結する最重要ポイント。
競合に奪われた状態では、同じ商品でも大きく売上を落としてしまうこともあります。
特にセール時や季節商戦などでカートボックスを確保したい場合、プロモーション割引が有効な打ち手となります。
自社発送を行っている場合、まとめ買いによって1配送あたりのコストを下げられるのもメリットの一つです。
購入単価が高くなっても、梱包・配送作業は1回で済むため、実質的な利益率が改善するケースも少なくありません。
ただしFBAを利用している場合は商品1点ごとに手数料がかかるため、このメリットは限定的です。
割引によってまとめ買いやついで買いを促進すれば、在庫の回転率アップにもつながります。
特にFBAを利用しているセラーにとっては、保管期間が長期化すると「長期在庫保管手数料」が発生するため、計画的な在庫消化が必須です。
販売が停滞しているSKUや季節商品の在庫処分にも、プロモーション割引は有効な手段です。
プロモーション機能では、プロモーションコード(クーポンコード)を発行することも可能です。
このコードをSNSやメールマガジンなどで配布すれば、Amazon外部からのトラフィックを誘導する導線としても活用できます。
たとえば「Instagramフォロワー限定10%オフ」や「メルマガ読者限定プレゼント付き」など、外部メディアとの掛け合わせによって販路を拡張できるのも大きな魅力です。
すべての商品にプロモーション割引を適用できるわけではありません。Amazonのルール上、以下のカテゴリの商品は割引対象外となっています。
また、「ワイン」は割引率のみ設定可能で、プレゼント型(1点購入で1点追加)などは使えません。
特に複数カテゴリで商品展開をしている事業者様は、事前に対象カテゴリであるかを確認したうえで、プロモーション設計を進めることが重要です。
プロモーションを設定すると、販売単価が下がる分、当然ながら1点あたりの利益は減ります。
たとえば「4点で10%オフ」のようなまとめ買いを促進する施策は、客単価は上がる一方で、利益率の圧迫には十分注意が必要です。
特に競合との価格競争が激しいジャンルでは、無理な割引設定が赤字の要因になることもあります。
ここからは、Amazonセラーセントラル上で実際にプロモーション割引を設定する方法を解説していきます。
今回は例として、「3点以上購入で5%オフ」の割引率プロモーションを作成します。設定は以下の5ステップで完了します。
まずはAmazonセラーセントラルにログインし、左上のメニューバーから
「広告」>「プロモーション」を選択します。
ここがプロモーションの設定画面です。初めての方でも、基本的に画面に沿って進めれば問題ありません。
表示される選択肢の中から、目的に合ったプロモーション形式を選びます。
ここでは、プロモーションの適用条件・対象商品・割引内容・予算などを細かく設定していきます。
条件設定は売上や利益に直結する重要なパートなので、シミュレーションを行いながら慎重に設計しましょう。
ここではプロモーションの開始日と終了日を指定します。
セールや季節性に合わせて、短期集中型と定常運用型を使い分けるのも有効です。
最後に、プロモーションの表示やコード配布の設定を行います。
これらのすべての項目を入力後、「プレビュー」で内容を確認し、問題がなければ「送信」して完了です。
送信後のプロモーションは、「プロモーションを管理」画面から確認・編集が可能です。
このように、プロモーション割引の設定はステップに沿って進めれば難しくありません。
とはいえ、条件設計や利益計算には注意が必要です。「設定したけど成果が出ない」場合は、条件設計や対象商品の選定がポイントかもしれません。
設定方法を理解した上で、次は「どんな条件が成果につながるか?」の視点で考えることが重要です。
プロモーション割引は使い方次第で売上の伸び方が大きく変わる“戦略型の販促手段”です。
ここでは、特に効果が高い2つの活用方法をご紹介します。
Amazonで売上を伸ばしたいなら、公式イベント前にプロモーションを仕掛けるのが鉄則です。具体的には、以下のような大型セールに注目しましょう。
また、ポイントはセール本番の“6~8週間前”にプロモーションをスタートさせることです。
このタイミングで割引を打つことで
などの効果が期待できます。
事前にAmazon公式の販促カレンダーを確認し、年間計画の中にプロモーションの仕掛け時期を組み込んでいくのがおすすめです。
もう一つの戦略が、プロモーション割引を活用したクロスセル設計です。
【シャンプー本体と詰め替え】など関連性の高い商品をセットで割引することで、ユーザーは「まとめて買った方がお得」と判断しやすくなります。
さらに、「よく一緒に購入されている商品」欄にも複数の割引商品が並ぶようになれば、視覚的にもセット購入を後押しする効果が生まれます。
売上のベースを伸ばしたいなら、1商品の割引だけで完結させず、複数商品を連動させて購買単価を引き上げる視点が重要です。
このように、プロモーション割引は「ただ安くする」だけでなく、“いつ・何に・どう仕掛けるか”で売上に大きな差が出る販促施策です。
年間の販促スケジュールや商品構成に応じて、計画的な運用をしていくことが、安定的な売上成長につながります。
Amazonでプロモーション割引を効果的に運用するには、「どんな商品に適しているか」を見極めることが大切です。どの商品にも万能な施策ではないからこそ、相性の良い商品に絞って活用することで、成果を最大化できます。
以下に、プロモーション割引と特に相性が良い3つの商材タイプをご紹介します。
シャンプー、洗剤、歯ブラシ、スポンジなどの日常的に繰り返し使われる消耗品は、プロモーション割引と非常に相性が良いジャンルです。
これらの商材は
このような特徴があります。
そのため、「3個以上で5%オフ」「5点で300円引き」といったまとめ買い割引によって、自然と客単価と回転率を両方上げやすい特徴があります。
「買い置き需要」があるカテゴリなら、積極的に活用を検討しましょう。
意外と知られていませんが、プロモーション割引は販売実績がなくても設定可能です。
これは、同様の販促機能である「Amazonクーポン」との大きな違いです。
※クーポンは2024年3月以降、販売実績がない商品には使用不可となっています。
そのため、プロモーション割引は
といった市場導入フェーズの商品におすすめです。
初期の露出強化や購入ハードルの軽減に使えば、立ち上げをスムーズに進める手助けになります。
Amazonでは、通常会員が購入金額3,500円未満の場合、送料(460〜500円)が発生します。
そのため、プロモーション割引によってユーザーがまとめ買いしやすくなり、送料無料ラインを自然に超える設計は非常に効果的です。
特に単価が低めの商品で
といった商品であれば、「価格メリット+送料無料メリット」のダブル効果で購入率を大きく伸ばせる可能性があります。
プロモーション割引は、対象商品の選定が成果の8割を決めると言っても過言ではありません。
まずは自社商品の中で「繰り返し買われやすい」「価格がまとめやすい」ものから、テスト導入してみると良いでしょう。
Amazonでは「プロモーション割引」のほかに、「クーポン」や「タイムセール」など、複数の値引き施策が提供されています。
一見似たような機能に見えますが、費用構造や表示箇所、設定条件は大きく異なります。
ここでは、各施策の特徴を比較しながら、「どの施策をいつ活用すべきか?」の判断材料として整理します。
項目 | プロモーション割引 | クーポン | タイムセール |
---|---|---|---|
表示箇所 | 商品ページのみ | 商品ページ、検索結果(緑色バッジ)、クーポン特集ページなど | 商品ページ、検索結果(赤色バッジ)、タイムセール特集ページなど |
手数料 | 無料 | 前払い:150円/件 変動:売上の1.5% | 通常:150円/日+売上の1% セール時:定額制(例:プライムデー=8,000〜16,000円) |
実施条件 | 大口出品者、評価2.5以上 | 大口出品者、評価3.5以上、販売実績あり、レビュー基準あり | 大口出品者、評価3.5以上、プライム対象など複数要件 |
Amazonクーポンは、「〇円オフ」や「〇%オフ」を指定して、検索結果や特集ページで大きく露出できるのが最大の強みです。特に緑色のクーポンバッジが検索結果で目立つため、クリック率の底上げに効果を発揮します。
ただし
といった制約とコストがやや重めです。
レビューが付き始めており、検索流入を増やしたいといった商品や新規集客の集客を狙いたい場合でお得におすすめです。
タイムセールは「〇時間限定」や「7日間限定」で割引を行う短期集中型のセール施策です。
特設ページへの掲載や赤バッジ表示によって、一時的な露出強化と売上急増が期待できる一方で、出品条件やコストには注意が必要です。
販売実績・レビュー評価が整っており、セールイベントで一気に売り切りたい在庫があるといった場合におすすめです。
結論から言えば、プロモーション割引はクーポン・タイムセールとの併用が可能です。
戦略的には「プロモーション割引=土台/常設施策」、「クーポン・タイムセール=瞬間最大火力」と役割を分けて設計するのが理想です。
本記事では「Amazonのプロモーション割引」について解説しました。
Amazonのプロモーション割引は、無料で使えて売上・客単価・在庫回転率の改善に効果的な施策です。目的や商品に応じて、他の販促施策と使い分けることで、より戦略的なEC運用が実現できますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
記事を最後まで見てくださり、誠にありがとうございました。この記事が皆様にとって役に立っていますと幸いです。
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